G20閉幕 共同声明は発出せず 参加国間の対立が原因か

アメリカのワシントンで開かれていたG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議は2日間の討議を終えて、日本時間の14日未明、閉幕しましたが、議論の成果となる共同声明や議長総括のとりまとめは行いませんでした。

G20の会議は日本時間の14日午前2時半ごろに閉幕しました。

議長国インドのシタラマン財務相は会見で、今回、共同声明や議長総括の発表に向けた調整などは行わなかったと述べました。ただ、途上国の債務問題について、中国を含めたすべての関係国が迅速に対応すべき問題だという認識で一致したことは大きな前進だったと強調しました。

会議に出席した関係者によりますと、今回のG20では、先月欧米で広がった金融不安の影響について、各国の金融システムは安定しているとしながらも、世界経済の先行きに対する不透明感が高まっているという指摘が相次いだということです。

一方、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐって経済制裁を続ける日本や欧米各国と、ロシアとの立場の隔たりは依然大きく、議長国のインドが共同声明の発表に向けた調整を行わなかった背景には、こうした参加国の間の深刻な対立が続いていることがあるとみられます。

共同声明が発表できなかったのは去年4月の会議以降、これで5回連続となります。

現地では日本時間の14日午前、会議に出席した鈴木財務大臣と今月9日に就任した日銀の植田総裁が記者会見し、G20など一連の国際会議の成果や課題について説明する予定です。