中国 “軍事演習は台湾同胞対象ではない” 台湾側に揺さぶりか

中国政府で台湾政策を担当する部署の報道官は、中国軍が台湾周辺で行ったパトロールと軍事演習について「『台湾独立』活動と外部勢力の干渉に対するものであり、決して台湾同胞を対象にしたものではない」と述べ、来年1月の台湾総統選挙を念頭に台湾側に揺さぶりをかけるねらいがあるとみられます。

中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は、12日の記者会見で、中国軍が台湾周辺で10日まで3日間行ったパトロールと軍事演習について、台湾の蔡英文総統とアメリカのマッカーシー下院議長が会談したことへの「対抗措置だった」と述べました。

そのうえで「われわれは国家の主権と領土の一体性を守るため、あらゆる必要な行動をとるが、『台湾独立』活動と外部勢力の干渉に対するものであり、決して台湾同胞を対象にしたものではない」と強調しました。

中国としては、台湾への軍事的な圧力を強める一方、すべての人たちを対象にしたものではないと強調することで、来年1月に総統選挙が行われることを念頭に台湾側に揺さぶりをかけるねらいがあるとみられます。

一方、朱報道官は、台湾の与党・民進党で党トップの主席を務める頼清徳副総統が、12日、党の公認候補に選ばれる見通しになっていることについて「台湾の選挙についてはコメントしない」と述べるにとどめました。

中国商務省 “台湾が輸入制限”で調査開始と発表

中国商務省は、中国の農産品や鉄鋼・非鉄金属製品、繊維製品など2455品目について、台湾が輸入制限をかけているとして、12日、貿易障壁に関する調査を始めたと発表しました。

今回の発表は、調査結果しだいでは輸入制限などの措置をとる構えを示したものです。

中国は、台湾の蔡英文総統とアメリカのマッカーシー下院議長が会談したことを受けて対抗措置をとるとしていて、その一環とみられます。