ウクライナ “反転攻勢の作戦情報含まれていない” 米機密文書

ロシアによるウクライナ侵攻をめぐるアメリカ政府の機密文書が流出したとされる問題について、ウクライナ政府の高官は反転攻勢に関する作戦情報は含まれていないと強調し、今後の軍事作戦への影響を最小限におさえたい思惑もあるとみられます。

ウクライナ侵攻をめぐるアメリカ政府の機密文書が流出したとされる問題について、アメリカ政府は機密性の高い資料が含まれている可能性があるとして調査を急ぐ考えを示しています。

CNNテレビは10日、ウクライナのゼレンスキー大統領に近い関係者の話としてウクライナが軍事計画の一部を変更せざるを得なかったと伝えました。

これについて大統領府のポドリャク顧問はメディアのインタビューに対し「作戦の情報は含まれていない」としているほか、国家安全保障・国防会議のダニロフ書記も「最後の瞬間に反転攻勢の決断を下す。計画を知るものはごく少数しかいない」と強調しています。

ウクライナは近く大規模な反転攻勢に乗り出す構えで、機密文書の問題が波紋を広げる中、今後の軍事作戦への影響を最小限におさえたい思惑もあるとみられます。

一方、ウクライナのベレシチュク副首相は10日、ロシアに占領された地域にいた孤児のうちこれまでに4396人がロシアに不法に連れ去られたと指摘しました。

そのうえで「国際社会の支援は非常に重要だ」として孤児たちを救出するため、EUや国連機関などとも連携して国際的な枠組みの設立を目指す考えを明らかにしました。

子どもの連れ去りをめぐってはICC=国際刑事裁判所が先月、ロシアのプーチン大統領など2人に戦争犯罪の疑いで逮捕状を出しています。

ウクライナ政府としては、孤児たちについては、帰還を求める保護者などがいないため救出される機会が限られているとして、国際社会の支援を広く訴えていきたい考えとみられます。