
ChatGPT “教育に影響” 国内の大学が利用基準設置や注意喚起
対話式AIの「ChatGPT」などに関して、教育や勉学にさまざまな影響が及ぶとみられることから、国内の大学では、利用の基準を示したり、注意喚起を行うところも出てきています。
利用が急速に広がっている「ChatGPT」は、まるで人間が書いたかのような自然な文章を作成でき、リポートや論文なども簡単に作成できてしまうことから、教育現場への影響を懸念する声があります。
京都大学では、今月7日に行われた入学式で湊長博学長が「AIによる文章作成には誤った情報が含まれるリスクがある」などと指摘し、「みずから『文章を書く』ということに伴う重要な検証プロセスが欠けている」と話しました。
そのうえで「皆さんには、時間をかけてじっくりと自分の文章を練り上げる習慣を、ぜひ身に付けていただきたい」と述べました。
また東京大学は、学内向けのホームページで副学長名で見解を発表し「学位やレポートについては、学生本人が作成することを前提としているので、生成系AIのみを用いて作成することはできない」などとしたほか、上智大学は「レポート、小論文、学位論文等において、使用を認めない。使用が確認された場合は、厳格な対応を行う。教員の許可があれば、その指示の範囲内で使うことは可」などとする方針を示しました。
このほか、東北大学では「未発表の論文や秘密にすべき情報を入力してしまうと、意図せず漏えいしてしまう可能性がある」などとする、注意喚起を行っています。
「ChatGPT」などのAIを巡っては、文部科学省も今後、学校現場での取り扱いを示す資料を作成する方針です。