陸上自衛隊のヘリコプターは沖縄県の伊良部島の北端から北東におよそ3キロの地点で、レーダーから航跡が消えました。
船舶の位置情報などを公開している民間のホームページ「マリントラフィック」によりますと、海上自衛隊の掃海艇「ししじま」は、事故翌日、7日の正午すぎに現場海域に到着しています。
その後、ヘリコプターがレーダーから消失した海域を繰り返し航行していたことがわかります。
その間、ソナーを使って機体が沈んでいないか調べていたものとみられます。
航跡は南北でおよそ7キロ、東西でおよそ3キロの範囲で編み目のようになっています。
【随時更新】陸自ヘリ事故 異常知らせる電波 受信されず
今月6日、陸上自衛隊の第8師団長など10人が乗ったヘリコプターが沖縄県宮古島の周辺を飛行中に消息を絶ってから、9日で3日となりますが、10人の行方は今も分かっていません。
この事故で、機体には緊急事態が起きた際に手動で操作することによって異常を知らせる電波を出す装置「トランスポンダー」が設置されていますが、当時、航空当局などではこの電波が受信されていなかったことがわかりました。
陸上自衛隊は、急激なトラブルが起きたために装置を操作できなかった可能性があるとみて調べています。
海上自衛隊の掃海艇の航跡は
ヘリコプターから緊急事態の電波 受信なし
自衛隊は、事故が起きたヘリコプター機体の一部が海底に沈んでいる可能性もあるとみて、海底の捜索を行うことができる潜水艦救難艦を派遣し、音波探知機などを使って捜索を続けています。
ヘリコプターには、緊急事態が起きた際に異常を知らせる電波を出す装置が設置されていますが、当時、航空当局などではこの電波が受信されていなかったことが、防衛省関係者への取材でわかりました。
「トランスポンダー」と呼ばれるこの装置は、操縦席に設置されていて、手動で操作することによって機体の情報を伝える電波を発信しますが、緊急事態を知らせる電波は受信されていないということです。
陸上自衛隊は、飛行中に急激なトラブルが起きたために、装置を操作できなかった可能性があるとみて調べを進めるとともに、隊員や機体の捜索を急いでいます。
ヘリコプターには、緊急事態が起きた際に異常を知らせる電波を出す装置が設置されていますが、当時、航空当局などではこの電波が受信されていなかったことが、防衛省関係者への取材でわかりました。
「トランスポンダー」と呼ばれるこの装置は、操縦席に設置されていて、手動で操作することによって機体の情報を伝える電波を発信しますが、緊急事態を知らせる電波は受信されていないということです。
陸上自衛隊は、飛行中に急激なトラブルが起きたために、装置を操作できなかった可能性があるとみて調べを進めるとともに、隊員や機体の捜索を急いでいます。
「トランスポンダー」の仕組み
「トランスポンダー」は、飛行中の航空機の情報を航空当局などに電波で知らせるため装置で、操縦士が4桁のコードを手動で設定することで、発信される内容が変わります。
消息を絶ったヘリコプターは当時、目視による飛行を行っていましたが、防衛省関係者によりますと、目視による飛行を行う場合、通常は「1200」の数字に設定します。
一方、火災や故障などの緊急事態が起きた場合は、「7700」に変更して異常を知らせるということです。
「7700」に変更されると、電波を受信した管制塔などでは警報が自動で作動して、異常が起きたことに気付く仕組みだということです。
防衛省関係者によりますと、今回、消息を絶ったヘリコプターからは「7700」に変更したときの電波は受信されていないということで、「機体に急激な変化が起きた場合などは、装置を操作できない可能性は考えられる」と話しています。
消息を絶ったヘリコプターは当時、目視による飛行を行っていましたが、防衛省関係者によりますと、目視による飛行を行う場合、通常は「1200」の数字に設定します。
一方、火災や故障などの緊急事態が起きた場合は、「7700」に変更して異常を知らせるということです。
「7700」に変更されると、電波を受信した管制塔などでは警報が自動で作動して、異常が起きたことに気付く仕組みだということです。
防衛省関係者によりますと、今回、消息を絶ったヘリコプターからは「7700」に変更したときの電波は受信されていないということで、「機体に急激な変化が起きた場合などは、装置を操作できない可能性は考えられる」と話しています。
伊良部島沖で漂流物を回収 ヘリコプターの部品か

第11管区海上保安本部は9日、沖縄県の伊良部島の沖合で陸上自衛隊のヘリコプターの部品とみられる漂流物を回収しました。
機体の一部とみられる部品は、捜索活動にあたっていた巡視船が、9日午後1時半ごろ、伊良部島の北端から東北東におよそ3キロの海上で発見し、回収しました。
部品は円錐状で中は空洞になっていて、迷彩の塗装が施されています。
公開された画像から、機体の左右に装備されている燃料タンクが真っ二つに折れた状態のように見えます。
機体の一部とみられる部品は、捜索活動にあたっていた巡視船が、9日午後1時半ごろ、伊良部島の北端から東北東におよそ3キロの海上で発見し、回収しました。
部品は円錐状で中は空洞になっていて、迷彩の塗装が施されています。
公開された画像から、機体の左右に装備されている燃料タンクが真っ二つに折れた状態のように見えます。
自衛隊 潜水艦救難艦を新たに派遣

自衛隊は、海底を捜索できる潜水艦救難艦を新たに派遣して、隊員や機体の発見を急いでいます。
これまでの捜索では、陸上自衛隊と書かれたドアや救命ボート、回転翼のブレードなどあわせて6つの部品などが回収されていますが、操縦席やエンジンなど機体の大部分は見つかっていません。
このため自衛隊は、海底に沈んでいる可能性もあるとみて、海底の捜索を行うことができる潜水艦救難艦を新たに派遣し、音波探知機などを使って捜索を続けています。
潜水艦救難艦には、遠隔で操作できる無人の潜水装置が備えられていて、音波探知機で機体とみられるものの反応があった場合などには、装置を使って詳しく確認し、状況に応じて潜水士による捜索を行うものとみられます。
陸上自衛隊によりますと、事故が起きたヘリコプターには、強い衝撃を受けたり浸水したりしたときに自動で救難信号を出して場所を知らせる「救命無線機」が搭載されていますが、これまでのところ、信号は確認されていないということです。
今回の事故で、自衛隊は、8日はおよそ270人で陸上での捜索を行っていましたが、9日は3隻を展開して、海上や海中での捜索を行うとともに、航空機も6機を出して空から手がかりを探しています。
これまでの捜索では、陸上自衛隊と書かれたドアや救命ボート、回転翼のブレードなどあわせて6つの部品などが回収されていますが、操縦席やエンジンなど機体の大部分は見つかっていません。
このため自衛隊は、海底に沈んでいる可能性もあるとみて、海底の捜索を行うことができる潜水艦救難艦を新たに派遣し、音波探知機などを使って捜索を続けています。
潜水艦救難艦には、遠隔で操作できる無人の潜水装置が備えられていて、音波探知機で機体とみられるものの反応があった場合などには、装置を使って詳しく確認し、状況に応じて潜水士による捜索を行うものとみられます。
陸上自衛隊によりますと、事故が起きたヘリコプターには、強い衝撃を受けたり浸水したりしたときに自動で救難信号を出して場所を知らせる「救命無線機」が搭載されていますが、これまでのところ、信号は確認されていないということです。
今回の事故で、自衛隊は、8日はおよそ270人で陸上での捜索を行っていましたが、9日は3隻を展開して、海上や海中での捜索を行うとともに、航空機も6機を出して空から手がかりを探しています。
「救命無線機」搭載も 救難信号確認されず

陸上自衛隊によりますと、消息を絶ったヘリコプターには、強い衝撃を受けたり浸水したりしたときに自動で救難信号を出して場所を知らせる「救命無線機」が搭載されていますが、これまでのところ、信号は確認されていないということです。
「救命無線機」は、航空法で一部の機体を除いて設置が義務づけられています。
陸上自衛隊によりますと、今回消息を絶った「UH60JA」では、右操縦席の後方に取り付けられ、飛行前に操縦士や整備員が電源を入れる手順になっているということです。
救難信号は、深さによるものの、水中であっても24時間以上発信を続け、位置情報の誤差は最大でも3キロ程度とされています。
防衛省関係者によりますと、電源が入っていなかったり、無線機が壊れたりした場合などは救難信号は発信されないということですが、今回、信号が確認されていない理由については、わからないとしています。
「救命無線機」は、航空法で一部の機体を除いて設置が義務づけられています。
陸上自衛隊によりますと、今回消息を絶った「UH60JA」では、右操縦席の後方に取り付けられ、飛行前に操縦士や整備員が電源を入れる手順になっているということです。
救難信号は、深さによるものの、水中であっても24時間以上発信を続け、位置情報の誤差は最大でも3キロ程度とされています。
防衛省関係者によりますと、電源が入っていなかったり、無線機が壊れたりした場合などは救難信号は発信されないということですが、今回、信号が確認されていない理由については、わからないとしています。
捜索の掃海艇が航行の海域 最大水深は約200m
防衛省によりますと、海上自衛隊の艦艇での捜索は宮古島と伊良部島の間の海域などで行われていて、民間のホームページ「マリントラフィック」によりますと、掃海艇もこの海域を繰り返し航行しています。
海上保安庁が運用しているホームページによりますと、掃海艇が航行している海域の水深は、おおむね20メートルから深いところで200メートルほどとなっています。
海上保安庁が運用しているホームページによりますと、掃海艇が航行している海域の水深は、おおむね20メートルから深いところで200メートルほどとなっています。
潜水艦救難艦「ちはや」などが航行

沖縄県の伊良部島沖で、9日午後0時15分ごろからNHKのヘリコプターが撮影した映像では、陸上自衛隊のヘリコプターが、レーダーから消えた島の北の海域で、海底の捜索を行うことができる海上自衛隊の潜水艦救難艦「ちはや」が航行している様子が確認できました。

「ちはや」よりさらに北側、伊良部島と池間島の真ん中付近では、海底付近の状況を調べることができる海上自衛隊の掃海艇「ししじま」が航行していました。
この2隻は、ソナーを使って機体が沈んでいないか、詳しい調査を進めているものと見られます。
この2隻は、ソナーを使って機体が沈んでいないか、詳しい調査を進めているものと見られます。

このほか、周辺の海域では、海上自衛隊の護衛艦「はぐろ」や、宮古島海上保安部の巡視船「まえはま」が捜索活動を行っていました。

また、陸上自衛隊のヘリコプターがレーダーから消える2分前に管制官が交信を行った、下地島空港の管制塔の近くには、8日、空港に緊急着陸した韓国にあるアメリカ軍基地所属とみられるF16戦闘機2機が駐機していました。

そして、ヘリコプターが消息を絶つ10分前に離陸した、宮古島の中央部にある航空自衛隊宮古島分屯基地のヘリパッドでは、この時間、航空機が発着する様子は確認できませんでした
伊良部島の北端付近の沿岸 自衛隊員が捜索

9日午後2時半ごろ、沖縄県伊良部島の北端付近の沿岸では、網を持った自衛隊員が、ひざまで海水につかりながら捜索していました。
また、海岸付近では5人ほどの自衛隊員が、ボートに乗り込んで捜索をしている様子が確認できました。
また、海岸付近では5人ほどの自衛隊員が、ボートに乗り込んで捜索をしている様子が確認できました。
伊良部島 佐良浜港から陸自隊員が捜索に向かう

沖縄県宮古島市の伊良部島の佐良浜港からは午前9時40分ごろ、陸上自衛隊の隊員が、エンジン付きのゴムボートに乗って捜索に向かう様子が見られました。
伊良部島の海岸付近で人の姿は見られず

陸上自衛隊によりますと、人が浮いているようにみえるという情報があった伊良部島の海岸付近で9日朝、捜索を行ったところ、人の姿は見られなかったということです。
第11管区海上保安本部や自衛隊は引き続き確認を進めています。
第11管区海上保安本部や自衛隊は引き続き確認を進めています。
“人が浮いているように見える” 捜索するも手がかりなし

海上保安庁によりますと、8日午後7時前、沖縄県伊良部島の海岸付近で、人が浮いているように見えるという情報が陸上自衛隊に寄せられました。
場所は島の北側にある崖の下の海岸付近で、海上保安庁のヘリコプターが上空を旋回しながらサーチライトで照らすなどして捜索にあたりましたが、これまでのところ手がかりになるようなものは見つかっていないということです。
場所は島の北側にある崖の下の海岸付近で、海上保安庁のヘリコプターが上空を旋回しながらサーチライトで照らすなどして捜索にあたりましたが、これまでのところ手がかりになるようなものは見つかっていないということです。
現場周辺の海域 機体に関連したもの見つからず
現場周辺の海域では、8日も自衛隊が音波を使って海底にあるものを探知できるソナーなどを使いながら捜索を行いましたが、機体に関連したものは見つかりませんでした。
現場海域には海底の捜索を行うことができる自衛隊の潜水艦救難艦が新たに到着し、海上保安庁とともに捜索を続けています。
現場海域には海底の捜索を行うことができる自衛隊の潜水艦救難艦が新たに到着し、海上保安庁とともに捜索を続けています。