新卒採用の看護職員 10人に1人が離職 調査開始以降 最も高く

去年春までの1年間に、全国の病院で新卒で採用された看護職員の10人に1人が離職していたことが日本看護協会の調査で分かりました。離職率は同様の方法で調査を始めて以降、最も高く、新型コロナによる医療現場の混乱などで、高くなった可能性があるとしています。

日本看護協会は2021年度の看護職員の離職状況について、全国の8100余りの病院を対象に調査を行い、2964の病院から回答を得ました。

調査の結果、離職率は正規雇用の看護職員全体で11.6%と、前の年度より1ポイント増えたということです。

このうち、新卒で採用された看護職員の離職率は10.3%で、前の年度を2.1ポイント上回り、同様の方法で調査を始めた2005年以降、最も高くなりました。

さらに、離職者が増えた理由について新型コロナの影響を尋ねたところ、38%が「影響している」と答えました。

日本看護協会は「コロナによる医療現場の混乱で、医療機関で実践的な実習を十分に経験できないまま看護師になったり、不安に対して職場で十分なサポートを得られなかったりしたことが、離職率を高めた可能性がある。看護職員が健康に安心して働ける取り組みの充実が必要だ」と話しています。