ロシア軍 東部激戦地バフムトの掌握ねらい 攻撃強化か

ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は、東部の激戦地バフムトの掌握をねらい、一層攻撃を強めているとみられます。一方、ロシア軍は、ウクライナ各地のエネルギー関連施設をねらって大規模なミサイル攻撃を行ってきましたが「エネルギーシステムを損なわせる試みは失敗に終わった」との指摘も出ています。

ウクライナ軍の参謀本部は8日、ロシア側は東部ドネツク州にあるウクライナ側の拠点の1つバフムトや、バフムトからおよそ50キロ南にあるアウディーイウカなどへの攻撃に注力していると発表しました。

このうちバフムトについては、一部の攻撃を撃退したとしながら「ロシア側は完全に支配しようとしている。激しい戦いが続いている」という認識を示しました。

バフムトをめぐっては、イギリス国防省が7日「ロシア軍は、街の中心部まで到達した」などとしたうえで、ロシア側が勢いを取り戻しているという分析を示していて、一層攻撃を強めているとみられます。

激しい攻防が続くバフムトについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は5日「包囲されて兵士を失う危険がある場合は司令官が相応の正しい決断を下すことになる」と述べ、戦況がさらに厳しくなれば撤退する可能性を示唆したとも受け止められています。

一方、ロシア軍は、去年10月以降、ウクライナ各地のエネルギー関連施設をねらって大規模なミサイル攻撃を行ってきましたが、イギリス国防省は8日、先月上旬以降こうした攻撃が少なくなっていると指摘しました。

そのうえで、施設の復旧が進められているなどとして「エネルギーシステムを著しく損なわせる試みは失敗に終わった可能性が高い」と指摘しています。