陸自ヘリ事故 消失2分前 交信で異常連絡なし その後トラブルか

陸上自衛隊のヘリコプターが沖縄県の宮古島の周辺で消息を絶った事故で、レーダーから消える2分前に空港の管制官と行った交信では、異常を知らせる連絡はなかったことが、関係者への取材で分かりました。
陸上自衛隊は、この交信のあとの2分間で何らかのトラブルが起きた可能性があるとみて、調査を進めるとともに、乗っていた10人の捜索を続けています。

6日、陸上自衛隊のヘリコプターが沖縄県の宮古島の周辺で消息を絶った事故では、乗っていた第8師団長など10人が今も行方不明となっています。

ヘリコプターは、宮古島を離陸したあと周辺を飛行する予定でしたが、離陸後に宮古島の空港の管制官と無線で複数回交信したあと、隣接する下地島の空港の管制官とも交信を行っていたことが、防衛省や国土交通省の関係者への取材でわかりました。

このうち、レーダーから消える2分前には、下地島の空港の管制官が管轄に入ったら周波数を変更して交信するよう伝えたところ、ヘリコプター側は了解したということで、その際に異常を知らせる連絡はなかったということです。

管制官との交信はこれが最後で、陸上自衛隊はこの交信のあとの2分間で何らかのトラブルが起きた可能性があるとみて、調査を進めるとともに、隊員の捜索を続けています。

海上保安庁 巡視船4隻の態勢で捜索続ける

海上保安庁によりますと、これまでの捜索では、「陸上自衛隊」と書かれたドアや、折り畳まれた状態の救命ボート、回転翼の「ブレード」、機体の一部とみられる窓枠など、複数の部品が、宮古島と橋でつながる伊良部島の北の海域の広い範囲で見つかっています。

海上保安庁は、8日も潮流や風向きをもとに予測を立てながら、巡視船4隻の態勢で捜索を続けることにしています。