ロシア 通貨ルーブル 去年4月以来の水準まで値下がり

ロシアの通貨 ルーブルは、去年4月以来の水準まで値下がりしました。
欧米企業の撤退などで資本流出が起きるのではないかとの見方が背景にあるという指摘も出ています。

モスクワの外国為替の取り引きでは、7日、ロシアの通貨 ルーブルが一時、1ドル=83ルーブル前後にまで値下がりしました。

これは去年4月以来の安値水準です。

ロシアの有力紙コメルサントは7日、欧米企業の撤退などで資本流出が予想され、経済状況の悪化を背景にルーブル安が進んでいると指摘しています。

また、アメリカの経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、欧米の経済制裁によって石油や天然ガスの収入が減ることで経済が打撃を受けていて、投資家がロシアの資金流出に懸念を抱いているためだと伝えています。

通貨ルーブルは、ウクライナへの軍事侵攻を受けて、去年3月、欧米がロシアに対する経済制裁を発表したことで、一時、1ドル=150ルーブル前後まで急落しました。

ただ、ロシア政府や中央銀行が相次いで通貨防衛策を打ち出したことなどから、去年4月にはルーブルは侵攻前の水準まで戻りました。

しかし、その後、財政赤字の拡大や欧米などによる経済制裁の強化で、ことしに入って再び下落傾向になっていました。