「こども未来戦略会議」初開催 具体策や財源の議論スタート

少子化対策を強化するため、政府の「こども未来戦略会議」が初めて開かれました。

議長を務める岸田総理大臣は、6月までに将来的な子ども・子育て予算の倍増に向けた大枠を示す考えを重ねて示し、具体策や財源の議論がスタートしました。

「こども未来戦略会議」には、経団連の十倉会長や、連合の芳野会長のほか、当事者の意見も反映させたいとして、地元で子どもを育てながら活動するフリーアナウンサーの中野美奈子さんらが加わり、総理大臣官邸で初めて開かれました。

この中で、岸田総理大臣は、先週まとめた政府のたたき台をもとに、少子化対策の詳細な内容や予算規模、それに財源などの議論を深め、6月の『骨太の方針』までに将来的な子ども・子育て予算の倍増に向けた大枠を示す考えを重ねて示しました。

そのうえで「政策を大胆に、強力に進めていくには、世代や立場を超えた国民一人一人の理解と協力を欠くことができない」と述べ、具体策や財源の議論がスタートしました。

この中では、財源をめぐり、国民全体で負担を分かち合い、安定的な形で確保すべきだという声のほか、医療や介護などの予算の適正化も進める必要性を指摘する意見が出されました。

また、政府のたたき台に盛り込まれた児童手当の所得制限の撤廃をめぐり、財源に限りもある中、本当に必要とする人を重点的に支援すべきだとして慎重論があった一方、すべての子育て世帯に支援を行うことを評価する意見も出されました。

今後は、政府のたたき台で明確にされていない、児童手当を拡充する対象や金額のほか、出産費用の保険適用や、学校給食費の無償化の扱いなどが焦点になります。

また、一連の対策を実現するには数兆円規模の財源が必要だという見方があり、政府・与党からは社会保険の活用で確保する案も出ていて、論点の1つとなりそうです。

連合会長「出産や子育て 個性生かした生き方認め合うよう」

連合の芳野会長は記者団に対し「出産や子育てについて、新しい時代に即した、それぞれの個性を生かした生き方を、みんなで認め合うようにしてほしいという考え方を申し上げた」と述べました。

経団連会長「財源は薄く広く集め重点的に配布がポイント」

経団連の十倉会長は記者団に対し、「国の財政は非常に苦しいですから、児童手当の所得制限撤廃はちょっといかがなものかと議論しました。メリハリをつけて本当に必要な人に重点的に配布し、財源は薄く広く集めて重点的に配布するのがポイントで、今後よく議論をしていく必要がある」と述べました。