守護神「迷企羅大将」 寺に戻る ネットオークション出品で連絡

ことし2月、山梨県の美術館に勤めているという男性から「ネットオークションに出品されている像は神護寺のものではないか」との連絡を受け、住職がオークションの管理者に確認したところ、広島県の古物商に70万円で落札されていたことがわかりました。

このため、この古物商に像を寺に戻したいと依頼したところ、快く承諾してもらい、落札価格より安い50万円で譲り受けたということです。

「迷企羅大将」の台座の裏には、「豊後」や「神護寺」「天文十八年」などの文字が書かれていました。

住職は、この像が紛失した時期や経緯はわからないとしていますが、天文18年＝西暦1549年に寺に安置され、その後、何らかの理由で外に持ち出された可能性があるとみています。

室町時代の1549年は、日本にキリスト教をもたらしたフランシスコ・ザビエルが宣教師として鹿児島に渡来し、布教活動を始めた年です。

守護神の像は漆が一部剥がれているものの、欠けている部分はなく、現在、寺の本堂でまつられています。

宝珠典隆住職は「はじめは半信半疑でしたが、神護寺のものと知ったときはここでまつりたいと思いました。迷企羅大将は病気を治すとされているので、ぜひ皆さんに見に来てもらいたい」と話していました。