RSウイルス感染症 妊婦がワクチン接種で生まれた子どもに効果

幼い子どもが重い肺炎になることもあるRSウイルス感染症について、アメリカの製薬会社ファイザーが開発したワクチンを妊娠中の女性が接種すると、生まれてきた子どもに一定の効果があるとする臨床試験の結果を、各国の医師らでつくる研究グループが発表しました。

この結果は、5日、国際的な医学雑誌の「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表されました。

RSウイルス感染症は、乳幼児を中心に流行するかぜに似た症状の病気で、場合によっては肺炎を引き起こし、重症化することがあります。

各国の医師らでつくる研究グループは、ファイザーが開発したRSウイルス感染症のワクチンを妊娠中の女性に接種し、生まれた子どもへの効果を確かめる臨床試験を18か国で行いました。

その結果、RSウイルスが関係する重い症状を防ぐ効果は
▽生後90日以内で81.8%
▽生後180日以内で69.4%だったと報告しています。

また発症を防ぐ効果は
▽生後90日以内で57.1%
▽生後180日以内で51.3%で生まれてきた子どもに一定の効果がみられました。

研究グループは「妊婦がワクチンを接種することで、生まれてくる子どもが重い症状になるのを防ぐ効果が認められ、安全面での懸念は確認されなかった」としています。