フランス マクロン大統領 中国 習主席と6日に会談へ

フランスのマクロン大統領はおよそ3年5か月ぶりに中国を訪れ、6日に北京で習近平国家主席と会談します。会談を前にマクロン大統領は「中国との対話が欠かせない」と述べ、ロシアと緊密な関係を築く中国に対しウクライナ情勢への関与を促す考えを示しました。

フランスのマクロン大統領は5日から3日間の日程で中国を訪れていて、6日夕方に習近平国家主席と会談するほか、夜にはEU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長も交え3者の会談も行う予定です。

3者での会談について、フランスのメディアは中国に対し交渉力を高めたい思惑があると分析しています。

会談を前日に控えマクロン大統領は5日、北京で中国で暮らすフランス人を前に演説しました。

この中で、中国がことし2月にロシアとウクライナに対話と停戦を呼びかける文書を発表していることに触れ、「中国が責任を持ち、和平への道を築こうとする意思があることを示している。中国との対話が欠かせない」と述べ、中国に対しウクライナ情勢への関与を促す考えを示しました。

中国はウクライナ侵攻を続けるロシアと緊密な関係を築いていて、マクロン大統領には両国のさらなる接近をけん制する狙いもあるとみられます。

また、今回の訪問には、大手航空機メーカー「エアバス」などの企業関係者も多く同行し、中国との経済関係の強化も進める見通しです。

仏専門家 “中国に対し欧州が一致して臨む姿勢示す狙い”

アジアの安全保障政策に詳しいフランス戦略研究財団のアントワーヌ・ボンダズ研究員は、今回の訪問について「マクロン大統領がEUのフォンデアライエン委員長とともに中国に行くこと自体が極めて象徴的だ。フランスはヨーロッパの結束のために取り組んできたし今回の訪問の中心にもなる」と述べ、中国に対しヨーロッパが一致して臨む姿勢を示す狙いがあるとしています。

そのうえで、EUが、中国との関係で経済的なつながりを切り離す「デカップリング」ではなく、リスクを減らすいわゆる「デリスキング」を進めようとしていることに触れ「誰もあすから中国との経済交流を止められるとは思っていない。現実的になる必要がある。必要なのは依存度を下げることだ」と指摘し、レアアースなどの調達で中国への依存を減らすなどリスクを減らしながら中国と経済連携を続けることが求められているとしています。