プーチン大統領 戦術核兵器配備合意のベラルーシ大統領と会談

ロシアのプーチン大統領は、戦術核兵器の配備で合意しているベラルーシのルカシェンコ大統領と首都モスクワで会談し、両国の安全保障などを巡り意見を交わしたものとみられます。一方、新たに任命されたロシア駐在のアメリカ大使を前に「アメリカによるウクライナ支援が現在の危機を招いた」と主張しアメリカを強く批判しました。

ロシアのプーチン大統領は5日、同盟関係にある隣国ベラルーシのルカシェンコ大統領をモスクワのクレムリンに招き会談を行いました。

会談の冒頭でプーチン大統領は、両国が連携して対処すべき多くの課題を話し合うとしたうえで「国際社会での協力関係や両国の安全保障問題も含まれる」と述べました。

プーチン大統領はベラルーシに戦術核兵器を配備すると先月表明していて、両首脳は配備に向けても意見を交わしたものとみられます。

これに先立ってプーチン大統領はロシア駐在の新任の大使らを前に演説しました。

アメリカのトレーシー大使も出席する中でプーチン大統領は「世界の安全保障と安定に直結する、ロシアとアメリカの関係は残念ながら深刻な危機にひんしている。アメリカが2014年にウクライナでクーデターを支援したことが現在の危機を招いたと言わざるをえない」と主張しアメリカを強く批判しました。

併合したウクライナ東部と南部の4州の治安対策徹底を指示

プーチン大統領は5日、安全保障会議を開き、去年一方的な併合に踏み切ったウクライナ東部と南部の4州について治安対策を徹底するよう関係閣僚などに指示しました。

閣僚らがオンラインで出席する一方で、プーチン大統領の両脇には4州の支配地域の親ロシア派の代表らが座る様子が国営メディアで映し出されました。これらの地域についてロシアが支配を維持する姿勢を強調した形です。

またロシア第2の都市サンクトペテルブルクにあるカフェで今月2日、爆発が起きたなか、安全保障会議では国内の治安情勢を巡っても協議し、プーチン大統領は「ウクライナがロシア側に仕掛けている破壊工作やテロ行為の準備には、欧米の情報機関が関与していると言える十分な根拠がある」と述べました。