藻を培養 世界最大規模の施設がマレーシアに完成 日本企業運営

気候変動や食料問題などの解決に向けて、資源として活用できる藻を培養する世界最大規模の施設が、日本企業の運営のもと、マレーシアで完成しました。今後、藻を使った燃料やプラスチックなどの生産の商業化を目指し、研究を進めることになりました。

藻の培養施設はマレーシアのボルネオ島につくられ、経済産業省が所管するNEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託を受けて、日本のバイオ企業が運営します。

4日、現地に関係者およそ70人が集まり、テープカットを行って施設の開所を祝いました。

藻は光合成の際に二酸化炭素を吸収するため、脱炭素化への貢献が期待されていて、この施設では、隣にある石炭火力発電所から排出される二酸化炭素をパイプを通して運び、藻に供給します。

施設では、年間およそ350トンの藻を生産することで、年間およそ700トンの二酸化炭素を吸収できるとしています。

その上で、藻を使って食料や飼料、それに燃料やプラスチックなどもつくる計画です。

バイオ企業は今後の商業化を目指して研究を進めることにしていて、生産コストを下げられるかが今後の課題となります。

バイオ企業の藤田朋宏CEO=最高経営責任者は「2030年までに2000ヘクタールの施設を完成させ、世界で初めて藻で燃料などをつくるビジネスを成立させたい」と話していました。