福島第一原発1号機 真下の映像初公開 土台損傷で耐震性懸念
東京電力はメルトダウンを起こした福島第一原子力発電所1号機で、事故後初めて原子炉の真下を撮影した映像を4日公開しました。映像では、溶け落ちた核燃料デブリとみられる大量の堆積物のほか、原子炉を支える円筒形の土台が半周以上にわたって壊れている様子が確認され、耐震性への影響が懸念される状況が明らかになりました。
原子炉真下の映像 初公開

東京電力は3月下旬、核燃料の冷却のために入れた水がたまっている1号機の格納容器の中に水中ロボットを入れ、ペデスタルと呼ばれる原子炉を支える円筒形の土台の内側の様子を撮影しました。
大量の堆積物

公開された映像には、放射線によるノイズが白い線のように現れていて、内部の高い放射線量をうかがわせます。
ペデスタルの底の部分では溶け落ちた核燃料と構造物が混じった核燃料デブリとみられる堆積物が、がれきのような状態や固まった状態で広がっている様子が確認されました。
東京電力によりますと堆積物は40センチから50センチ程度の厚さで分布していたということで溶け落ちた核燃料デブリは原子炉を支えるペデスタルの外側にまで広がっていると推定しています。
これは、これまでに明らかになっている2号機や3号機の内部とは異なる状況です。
2018年に調査が行われた2号機では、小石のような堆積物が40センチから70センチ程度の高さで広がっている様子が確認されています。
2017年に調査が行われた3号機では、核燃料デブリとみられる堆積物が中央部分に向かって山のように盛り上がっていて、最も高いところで3メートル余りに達していました。
ペデスタルの底の部分では溶け落ちた核燃料と構造物が混じった核燃料デブリとみられる堆積物が、がれきのような状態や固まった状態で広がっている様子が確認されました。
東京電力によりますと堆積物は40センチから50センチ程度の厚さで分布していたということで溶け落ちた核燃料デブリは原子炉を支えるペデスタルの外側にまで広がっていると推定しています。
これは、これまでに明らかになっている2号機や3号機の内部とは異なる状況です。
2018年に調査が行われた2号機では、小石のような堆積物が40センチから70センチ程度の高さで広がっている様子が確認されています。
2017年に調査が行われた3号機では、核燃料デブリとみられる堆積物が中央部分に向かって山のように盛り上がっていて、最も高いところで3メートル余りに達していました。

堆積物の間には核燃料とともに原子炉から落下してきたとみられる棒のような構造物が突き刺さったような状態になっています。
土台の鉄筋コンクリート変形

映像からは1号機の耐震性への影響が懸念される状況も見えてきました。
原子炉を支える鉄筋コンクリート製のペデスタルは半周以上の範囲で内側の壁が壊れ鉄筋がむき出しになっていました。
ペデスタルは、直径が6メートルあまり、厚さがおよそ1メートル20センチの鉄筋コンクリート製の構造物で、重さ440トンの原子炉を支えています。
去年の調査で、ペデスタル外側の一部のコンクリートがなくなり内部の鉄筋がむき出しになっている様子が確認されていましたが、今回の調査ではペデスタル内側の半周あまりの範囲で、同様の状態になっていることが確認されました。
コンクリートがなくなっていたのは底から高さ1メートルほどの部分で、一部では鉄筋が変形している様子も確認されました。
東京電力はこれまで、原子炉は横からも支える構造物があることなどから、ペデスタルのおよそ4分の1の範囲でコンクリートも鉄筋もなくなり、残りの範囲でコンクリートの一部が壊れた状況を想定して分析しても、原子炉が倒壊するおそれはないとしていました。
ただ、今回の調査では、コンクリートの損傷が想定より大きい部分も見られたとしていて、耐震性への影響をあらためて分析するとしています。
原子炉を支える鉄筋コンクリート製のペデスタルは半周以上の範囲で内側の壁が壊れ鉄筋がむき出しになっていました。
ペデスタルは、直径が6メートルあまり、厚さがおよそ1メートル20センチの鉄筋コンクリート製の構造物で、重さ440トンの原子炉を支えています。
去年の調査で、ペデスタル外側の一部のコンクリートがなくなり内部の鉄筋がむき出しになっている様子が確認されていましたが、今回の調査ではペデスタル内側の半周あまりの範囲で、同様の状態になっていることが確認されました。
コンクリートがなくなっていたのは底から高さ1メートルほどの部分で、一部では鉄筋が変形している様子も確認されました。
東京電力はこれまで、原子炉は横からも支える構造物があることなどから、ペデスタルのおよそ4分の1の範囲でコンクリートも鉄筋もなくなり、残りの範囲でコンクリートの一部が壊れた状況を想定して分析しても、原子炉が倒壊するおそれはないとしていました。
ただ、今回の調査では、コンクリートの損傷が想定より大きい部分も見られたとしていて、耐震性への影響をあらためて分析するとしています。
専門家「想定以上の損傷だ」

日本原子力学会廃炉検討委員会で委員長を務める宮野廣さんは、1号機のペデスタルと呼ばれる原子炉を支える円筒形の土台が半周以上で壊れている様子が映像で確認されたことについて、「これまでもペデスタルの内側は燃料デブリの影響で壊れているだろうと推定されていたが、想定以上に広い範囲で損傷していて驚いた」と話していました。
「影響が大きいのできちんと分析を」

その上で、「中の鉄筋はほとんどそのまま残っているのですぐに耐震性に問題があるとまでは言えないが、まだ調査ができていないペデスタルの外側も同じように壊れている場合は影響が大きいので、きちんと分析する必要がある」と指摘しました。
一方、核燃料デブリとみられる堆積物の状況については、「大きなかたまり状の堆積物がごろごろしていて、2号機や3号機の状況とも異なっている。1号機ではかなりの量の核燃料が溶けたうえコンクリートとも混じり合っているとみられるので、デブリの取り出しは他の号機に比べて困難になると思う」と話していました。
一方、核燃料デブリとみられる堆積物の状況については、「大きなかたまり状の堆積物がごろごろしていて、2号機や3号機の状況とも異なっている。1号機ではかなりの量の核燃料が溶けたうえコンクリートとも混じり合っているとみられるので、デブリの取り出しは他の号機に比べて困難になると思う」と話していました。