ロシアのカフェ爆発 ロシア人の女を拘束と発表 連邦捜査委員会

ロシア第2の都市サンクトペテルブルクにあるカフェで爆発があり、ウクライナ侵攻を支持する内容をSNSで発信してきた男性が死亡した事件で、捜査当局はロシア人の女を拘束したと発表しました。このロシア人は、去年2月にプーチン政権が軍事侵攻を開始した日に、無許可の集会に参加したとして行政処分を受けていたと伝えられています。

ロシアのサンクトペテルブルクの中心部にある川沿いのカフェで2日、爆発がありました。

ロシアメディアは保健当局の話として、この爆発で1人が死亡したほか、これまでに32人がけがをしたと伝えています。

警察によりますと、死亡したのはマクシム・フォミン氏で「タタルスキー」というペンネームを使って、プーチン政権が進めてきたウクライナ侵攻についてSNS上で発信してきたということです。

カフェでは当時、フォミン氏の講演会が開かれていたということで、複数のロシアメディアは女性がフォミン氏に小さな像を贈った数分後に爆発が起きたとするイベントの参加者の証言をもとに、贈り物に爆発物が仕掛けられていた可能性があると伝えています。

殺人事件として捜査を進めていた連邦捜査委員会は3日、事件に関与した疑いでダリア・トレポワ容疑者(26)を拘束したと発表しました。

ロシア国営のタス通信は、容疑者について、サンクトペテルブルク出身で去年2月にプーチン政権が軍事侵攻を開始した日の夜に無許可の集会に参加したとして行政処分を受けていたと伝えています。また、これまで野党系の集会などにも参加してきたと伝えられています。

ロシアの治安機関などでつくる「国家反テロ委員会」は3日、「ウクライナの特殊機関が工作員を使って計画したことが明らかになった」と発表し、ウクライナ政府が仕掛けたテロ事件だと主張しました。

死亡したフォミン氏は、ウクライナ東部のドネツク州の出身と伝えられ、ウクライナ侵攻について支持する内容を発信していました。

現場にいた男性 爆発前に不審な女性を目撃

現場にいたという男性はメディアのインタビューに対し、爆発の前に不審な女性を目撃したとして「女性がフォミン氏に小さな像を贈ったようだ。その3分から5分後に爆発が起きた」と話していました。

また、女性はフォミン氏に話しかけていたということで「彼女はマイクを手に取り、『あなたを尊敬しています。この小さな像は私たちのチームからの贈り物です』と言っていた」と話しています。

ロシア報道官「これはテロ攻撃 ウクライナ側が関与の可能性」

ロシア大統領府のペスコフ報道官は3日、記者団に対し「これはテロ攻撃だ。ウクライナの特殊機関がテロ攻撃の計画に関与している可能性があるという証拠がある」と述べ、ウクライナ側が関与した可能性のあるテロだと主張しました。

また、ペスコフ報道官は、事件については発生した当日のうちにプーチン大統領に報告され大統領も事態を重く見ているとみられます。