イルカ30頭余りが海岸に打ち上げられる 千葉 房総半島
3日朝、千葉県の房総半島の海岸に、30頭余りのイルカが打ち上げられているのが見つかりました。現場ではサーファーらが集まってイルカを沖合に戻そうと作業にあたりましたが、3頭は死んでいるのが確認されました。
3日朝早く、千葉県一宮町やいすみ市を管轄する警察署に、サーフィンをしていた人などから「イルカが浜に打ち上げられている」などと複数の通報がありました。
連絡を受けた一宮町の役場が確認したところ、町内の海岸から隣接するいすみ市の海岸にかけてのおよそ500メートルの間に、イルカ32頭が打ち上げられていたということです。
現場では、サーファーらがイルカを沖合に戻そうと、手で海の方に押し返していました。
イルカの中には、一度海岸から離れても波に押し戻されてしまうものもいて、作業にあたった人たちは再び手で押して沖合に帰そうとしていました。
一宮町によりますと、これまでに3頭が現場で死んでいるのが確認されたということです。
イルカを沖合に戻そうと作業を行っていたサーファーの30代の男性は「とても重くて、大人3、4人で作業していました。イルカの体力次第ですが、無事に海に戻ってほしい」と話していました。
海岸で様子を見守っていた40代の地元の女性は「車で10分くらいのところに住んでいますが、今までに見たことがなくてびっくりしました。早く海に戻してあげたい」と話していました。
専門家「低体温症で体が弱り打ち上げられるケースも」

現場を訪れた、海の哺乳類の生態に詳しい国立科学博物館の田島木綿子研究主幹は「イルカはカズハゴンドウという種類で、日本周辺にいて春先にはこのあたりによく訪れます。カズハゴンドウは数十頭から数百頭の群れを作って生活しているので、打ち上げられたイルカたちは群れだった可能性があります。過去には、温かい海域を好む生物が冷たい海域に入って低体温症のようになり体が弱ってしまい、海岸に打ち上げられてしまうケースがありました。いまのこの状況だけでは打ち上げられた理由ははっきり分かりませんが、死んでしまったイルカを解剖するなどして原因を把握していきます」と話していました。