林外相 王毅政治局委員と会談 東シナ海情勢に深刻な懸念伝える

中国を訪れた林外務大臣は外交を統括する王毅政治局委員と会談し、中国が海洋進出を強めている沖縄県の尖閣諸島を含む東シナ海の情勢などに深刻な懸念を伝えた一方、首脳や外相を含めたあらゆるレベルで緊密に意思疎通を図ることで一致しました。

林外務大臣と王毅政治局委員との会談は、日本時間の2日午後6時半ごろから、夕食も交えながら1時間半余り行われました。

この中で林大臣は「日中関係はさまざまな可能性とともに、数多くの課題や深刻な懸案にも直面しており重要な局面にある。両国の首脳が建設的で安定的な関係の構築という大きな方向性で一致していることは極めて重要だ」と述べました。

また、大手製薬会社の男性ら日本人が中国国内で拘束されたことに抗議し、早期解放を強く申し入れるとともに、経済分野の協力や人的交流を促進していくために日本人や日本企業が中国で安心して活動できるような環境を整えることが重要だと指摘しました。

そして、中国が海洋進出を強めている沖縄県の尖閣諸島を含む東シナ海の情勢などに深刻な懸念を伝えた一方、引き続き、首脳や外相を含めたあらゆるレベルで緊密に意思疎通を図ることで一致しました。

王毅政治局委員「林大臣はわれわれの古い友人」

中国で外交を統括する王毅政治局委員は、林外務大臣との会談の冒頭「林大臣はわれわれの古い友人であり長年にわたって両国の友好に携わってきたことを高く評価したい。今回の訪問を通じて中国の体制や政策の方針に対する認識を深め、両国関係の重要な意義をより認識できるはずだ。林大臣が両国関係のためにしかるべき役割を果たすことを期待している」と述べ、今回の訪問が両国関係の改善につながることに期待を示しました。