現金配布の慈善活動に人が殺到 これまでに11人死亡 パキスタン

経済が混乱し、物価の上昇が続くパキスタンで3月31日、現金を配る慈善活動に人が殺到し、倒れて人に踏まれるなどして、これまでに11人が死亡しました。

パキスタン南部の都市、カラチにある工場で、3月31日午後、イスラム教の断食月のラマダンにあわせて計画された貧しい人たちに現金を配る慈善活動に数百人が殺到しました。

現地の警察などによりますと、集まったのはこの工場で働く人の家族などで倒れてほかの人に踏まれるなどして、これまでに子ども3人を含む11人が死亡したほか、複数の人がけがをして病院に運ばれたということです。

警察は、事前に現金の配布を警察に届け出ず安全管理を怠ったなどとして、工場の従業員ら7人を拘束して詳しい状況を調べています。

パキスタンでは外貨の不足や通貨安など経済が混乱し、ことし2月の消費者物価指数は前の年の同じ月と比べて31.55%上昇するなど記録的なインフレとなっていて、人々の生活に深刻な影響が出ています。

食料品などの価格の上昇も続く中、現地メディアによりますと、政府が貧しい家庭を対象に行っている小麦粉の配給でも3月に各地で人が殺到して少なくとも5人が死亡しています。