フィンランドNATO加盟へ トルコ議会が加盟を承認

NATO=北大西洋条約機構への加盟を目指しているフィンランドについて、トルコ議会は30日、加盟を承認しました。これですべての加盟国が承認し、フィンランドの加盟が実現することになります。

ロシアと国境を接するフィンランドと隣国のスウェーデンは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、去年5月、NATOへの加盟をそろって申請しました。

トルコは、自国からの分離独立を掲げるクルド人武装組織のメンバーを両国が支援しているとして、テロ対策をとることなどを求めてきました。

加盟には30の加盟国すべての承認が必要ですが、今月27日に、ハンガリー議会が加盟を認め、30日、残るトルコ議会でも審議が行われ加盟を承認しました。

これでNATOのすべての加盟国が承認し、フィンランドの加盟が実現することになります。

一方、ロシアはNATOの拡大に反対していて、警戒を強めるものとみられます。

スウェーデンは加盟の見通し立たず

また、そろって加盟を申請していたスウェーデンについて、トルコのエルドアン大統領は、承認の条件としてきたクルド人武装組織をめぐるテロ対策が不十分だとして対応を見極める考えを示していて、加盟の見通しは立っていません。

マリン首相「すべての国々へ、支援をありがとう」

フィンランドのマリン首相はツイッターに「すべての国々へ、支援をありがとう。同盟国として、われわれは安全保障を与え、享受し、お互いを守る」としたうえで、「フィンランドは現在も今後もスウェーデンとともにあり、そのNATOへの加盟申請を支持する」と書き込み、隣国スウェーデンも加盟する必要があると強調しました。

NATO事務総長「NATO全体を強化し安全に」

NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長はツイッターに「トルコ議会によるフィンランドの加盟承認を歓迎する。NATO全体を強化し安全にするものだ」と投稿しました。

フィンランドの人たち “期待の声” “スウェーデンの加盟を”

フィンランドのNATO=北大西洋条約機構加盟が実現することについて、フィンランドの人たちからは期待する声が聞かれる一方、スウェーデンの加盟を求める意見もありました。

看護師の女性は「とても安心しています。私たちはこの情報を何週間も待っていました。フィンランドはロシアにとても近いので、このような大きなサポートがあることをうれしく思う」と話していました。

また、銀行に勤めている男性は「東の国境には何があるのかフィンランドの人たちはよく分かっています。そのために、すでに強い防衛力を持っています。フィンランドの立場からするとロシアがもしバルト海に侵攻してきたら、NATOの加盟国が守ってくれるので、私たちも他国を守るべきだ」と話していました。

一方、スウェーデンの加盟の見通しが立たないことについては「ヨーロッパの安全を守るためにスウェーデンと共に取り組むことが大切だ。今後、加盟が実現すると信じている」と話す女性もいました。