ロシアと同盟関係にあるベラルーシのルカシェンコ大統領は31日、首都ミンスクで政府高官や議会関係者などおよそ2500人を前に、質問にも応じる形で4時間半にわたり、年次教書演説を行いました。
この中で「現在の軍事や政治情勢のもとで、ベラルーシへの核兵器の返還についてプーチン大統領と強力な交渉を進めてきた。過去に撤去された核兵器の返還についてだ。これは誰かを威嚇したり脅迫したりするわけではなくベラルーシの国家を守り、人々の平和を維持するためだ」と述べました。
そして、NATO=北大西洋条約機構に加盟する隣国ポーランドが脅威になっているなどと主張し、自国の防衛目的で核兵器を配備する意向を表明しました。
これに先立ち、3月25日にはプーチン大統領がベラルーシに戦術核兵器を配備することでルカシェンコ大統領と合意に達したと明らかにしていました。
ルカシェンコ大統領は演説で「必要であれば戦略核兵器もベラルーシに導入される」と述べました。
4月6日にはモスクワで両国の連携強化に向けた会合が開催予定で、核兵器の配備に向けても意見が交わされるとみられています。

【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(3月31日の動き)
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる3月31日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
ベラルーシ大統領 “自国の防衛目的で核兵器配備”

プーチン大統領 春の徴兵に関する大統領令に署名
ロシア大統領府は、プーチン大統領が春の徴兵に関する大統領令に署名したと30日発表しました。
4月1日から7月15日にかけて18歳から27歳までの14万7000人の徴兵を行うとしています。
ロシアでは1年間の兵役義務がありますが、ロシア国防省は発表で「ロシア領内の駐屯地で兵役に就く。指定の兵役期間を終えれば居住地に戻すので徴兵される者や保護者は安心してほしい」としていて、ウクライナへの軍事侵攻とは関係のない通常の徴兵であることを強調しています。
さらに「第2波の動員はないことを約束したい。志願兵も大幅に増えている」とも強調していて、追加の動員があるのではと国民の間でくすぶる不安の払拭に努めています。
4月1日から7月15日にかけて18歳から27歳までの14万7000人の徴兵を行うとしています。
ロシアでは1年間の兵役義務がありますが、ロシア国防省は発表で「ロシア領内の駐屯地で兵役に就く。指定の兵役期間を終えれば居住地に戻すので徴兵される者や保護者は安心してほしい」としていて、ウクライナへの軍事侵攻とは関係のない通常の徴兵であることを強調しています。
さらに「第2波の動員はないことを約束したい。志願兵も大幅に増えている」とも強調していて、追加の動員があるのではと国民の間でくすぶる不安の払拭に努めています。
英国防省「ロシア 新たに志願兵40万人の募集準備」
イギリス国防省は現地の報道などをもとにロシアが新たに40万人の志願兵の募集に向けた準備を始めていると指摘しています。
長期化するウクライナ侵攻で深刻化する兵員不足を多くの志願兵で補うことで国民の反発を抑えるねらいがあるものとみられますが、イギリス国防省は、自主的に40万人もの兵士が集まる可能性は低いと分析しています。
長期化するウクライナ侵攻で深刻化する兵員不足を多くの志願兵で補うことで国民の反発を抑えるねらいがあるものとみられますが、イギリス国防省は、自主的に40万人もの兵士が集まる可能性は低いと分析しています。
米シンクタンク「ロシア軍やワグネルに多くの死傷者」
ウクライナでは東部の激戦地バフムトで攻防が続き、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は30日、アメリカ当局の分析から、ロシア軍や民間軍事会社ワグネルの部隊に多くの死傷者が出ているとの見方を示しました。
ウクライナ東部バフムト 侵攻続けるロシア側と一進一退の攻防

ウクライナ軍の東部方面部隊の報道官は30日、地元メディアに、バフムトは依然として戦闘の中心地になっているという認識を示しました。
軍の参謀本部はSNSで、「ロシア側は攻撃を繰り返しているが、われわれは多くの攻撃を退けている」と強調しています。
こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は30日、新たに公開したビデオ演説で「われわれは前線で勝利し、領土を回復させる。正義を取り戻す」と述べ、ロシア側に占領されている地域の奪還を目指す姿勢を改めて示し、国民に結束を呼びかけました。
また、ゼレンスキー大統領は、アメリカのAP通信が29日に伝えたインタビューで、「プーチン大統領は、われわれが弱いことをにおわせれば、突き進んでくるだろう」と述べ、バフムトで敗れれば国内外からロシアとの妥協を迫る圧力がかかる可能性もあるとして、激戦を制することの政治的な重要性を強調しました。
軍の参謀本部はSNSで、「ロシア側は攻撃を繰り返しているが、われわれは多くの攻撃を退けている」と強調しています。
こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は30日、新たに公開したビデオ演説で「われわれは前線で勝利し、領土を回復させる。正義を取り戻す」と述べ、ロシア側に占領されている地域の奪還を目指す姿勢を改めて示し、国民に結束を呼びかけました。
また、ゼレンスキー大統領は、アメリカのAP通信が29日に伝えたインタビューで、「プーチン大統領は、われわれが弱いことをにおわせれば、突き進んでくるだろう」と述べ、バフムトで敗れれば国内外からロシアとの妥協を迫る圧力がかかる可能性もあるとして、激戦を制することの政治的な重要性を強調しました。
フィンランドNATO加盟へ トルコ議会が加盟を承認
NATO=北大西洋条約機構への加盟を目指しているフィンランドについて、トルコ議会は30日、加盟を承認しました。これですべての加盟国が承認し、フィンランドの加盟が実現することになります。
ロシアと国境を接するフィンランドと隣国のスウェーデンは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、去年5月、NATOへの加盟をそろって申請しました。
ロシアと国境を接するフィンランドと隣国のスウェーデンは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、去年5月、NATOへの加盟をそろって申請しました。

トルコは、自国からの分離独立を掲げるクルド人武装組織のメンバーを両国が支援しているとして、テロ対策をとることなどを求めてきました。
加盟には30の加盟国すべての承認が必要ですが、今月27日に、ハンガリー議会が加盟を認め、30日、残るトルコ議会でも審議が行われ加盟を承認しました。
これでNATOのすべての加盟国が承認し、フィンランドの加盟が実現することになります。
一方、ロシアはNATOの拡大に反対していて、警戒を強めるものとみられます。
加盟には30の加盟国すべての承認が必要ですが、今月27日に、ハンガリー議会が加盟を認め、30日、残るトルコ議会でも審議が行われ加盟を承認しました。
これでNATOのすべての加盟国が承認し、フィンランドの加盟が実現することになります。
一方、ロシアはNATOの拡大に反対していて、警戒を強めるものとみられます。
マリン首相「すべての国々へ、支援をありがとう」

フィンランドのマリン首相はツイッターに「すべての国々へ、支援をありがとう。同盟国として、われわれは安全保障を与え、享受し、お互いを守る」としたうえで、「フィンランドは現在も今後もスウェーデンとともにあり、そのNATOへの加盟申請を支持する」と書き込み、隣国スウェーデンも加盟する必要があると強調しました。
NATO事務総長「NATO全体を強化し安全に」

NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長はツイッターに「トルコ議会によるフィンランドの加盟承認を歓迎する。NATO全体を強化し安全にするものだ」と投稿しました。
スウェーデンは加盟の見通し立たず

そろって加盟を申請していたスウェーデンについて、トルコのエルドアン大統領は、承認の条件としてきたクルド人武装組織をめぐるテロ対策が不十分だとして対応を見極める考えを示していて、加盟の見通しは立っていません。
アメリカ有力紙の記者 ロシア国内で逮捕

ロシアの治安機関FSB=連邦保安庁は30日、アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の記者をスパイ活動を行っていた疑いで拘束したと発表しました。
連邦保安庁は、拘束したのは、1991年生まれのモスクワに駐在するアメリカ国籍の特派員、エバン・ゲルシュコビッチ記者だとしています。
連邦保安庁は、拘束したのは、1991年生まれのモスクワに駐在するアメリカ国籍の特派員、エバン・ゲルシュコビッチ記者だとしています。

そのうえで「アメリカ政府のためにロシアの軍需産業に関する情報を収集しようとスパイ活動を行っていた疑いがある」として中部の都市エカテリンブルクで拘束したとしています。
ロシアの国営通信社はその後、モスクワの裁判所の決定でゲルシュコビッチ記者が逮捕されたと伝えていて、ロシアの刑法では、スパイ活動を行っていた罪で有罪となった場合、最長で禁錮20年となる可能性があるということです。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、「FSBの主張を強く否定し、即時釈放を求める」とする声明を出しました。
ロシアの国営通信社はその後、モスクワの裁判所の決定でゲルシュコビッチ記者が逮捕されたと伝えていて、ロシアの刑法では、スパイ活動を行っていた罪で有罪となった場合、最長で禁錮20年となる可能性があるということです。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、「FSBの主張を強く否定し、即時釈放を求める」とする声明を出しました。
ブリンケン国務長官「最も強いことばで非難」

アメリカのブリンケン国務長官は30日声明を発表し「アメリカ人ジャーナリストの拘束について深く懸念している。われわれは、ロシア政府がジャーナリストなどを抑圧し、処罰する試みを最も強いことばで非難する」と強調しました。
AP通信は、東西の冷戦終結後、アメリカの記者がスパイ活動の疑いでロシアで拘束されるのは初めてだと伝えていて、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって以降、両国の対立が一層深まっています。
AP通信は、東西の冷戦終結後、アメリカの記者がスパイ活動の疑いでロシアで拘束されるのは初めてだと伝えていて、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって以降、両国の対立が一層深まっています。
ホワイトハウスの報道官「ロシア側の主張はばかげている」

アメリカ・ホワイトハウスのジャンピエール報道官は30日、会見で「スパイ活動の容疑というロシア側の主張はばかげている。アメリカ人を標的にするロシア政府の行動は受け入れられない。最も強いことばで拘束を非難する」と述べました。
ロシアと北朝鮮で武器取り引き行おうとした疑いで制裁リストに
アメリカ財務省は30日、声明を発表し、ロシアと北朝鮮の間で武器の取り引きを行おうとしたとして、スロバキア人の男を資産の凍結などを科す制裁リストに加えたと明らかにしました。
声明によりますと、男は去年末からことし初めにかけて、北朝鮮の当局者の協力を得てロシアから商業用の航空機や農産物を提供する代わりに、ロシアのために20種類以上の武器や弾薬を入手しようとしたということです。
また、男は北朝鮮で入手しようとしていた軍備品に関係するとみられるロシアの当局者からの情報を北朝鮮の当局者へ提供していたということです。
声明によりますと、男は去年末からことし初めにかけて、北朝鮮の当局者の協力を得てロシアから商業用の航空機や農産物を提供する代わりに、ロシアのために20種類以上の武器や弾薬を入手しようとしたということです。
また、男は北朝鮮で入手しようとしていた軍備品に関係するとみられるロシアの当局者からの情報を北朝鮮の当局者へ提供していたということです。

ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は30日、記者団に対し「北朝鮮とロシアの間のいかなる武器の取り引きも国連安保理決議に対する違反だ」と非難したうえで引き続きロシアへの軍事支援に対して圧力を強めていく考えを示しました。
パリ五輪 ロシアとベラルーシの選手の参加は

IOCのバッハ会長は30日、スイスで3日間開かれたIOC理事会の総括として会見しました。
この中で、軍事侵攻を理由に多くの競技で国際大会から除外されているロシアとその同盟関係にあるベラルーシの選手について、来年夏のパリオリンピックへの出場を認めるかどうか判断する時期に言及し、「大会の1年前以降になることは明らかだ」と話し、ことし7月26日の開幕1年前を過ぎてから判断する考えを示しました。
また、両国の国際大会への復帰について、国や地域を代表しない「中立」の立場と認められる個人の選手に限り、団体競技での出場や軍の関係者の出場を認めないなどとする条件を28日に国際競技連盟に勧告したことに対し、一部の政府から批判が出ていることについては「スポーツの自律性を尊重しないことは嘆かわしいことだ。政府が、どの選手が出場できるかどうかを決めたらスポーツの世界の終わりだ」と反論しました。
この中で、軍事侵攻を理由に多くの競技で国際大会から除外されているロシアとその同盟関係にあるベラルーシの選手について、来年夏のパリオリンピックへの出場を認めるかどうか判断する時期に言及し、「大会の1年前以降になることは明らかだ」と話し、ことし7月26日の開幕1年前を過ぎてから判断する考えを示しました。
また、両国の国際大会への復帰について、国や地域を代表しない「中立」の立場と認められる個人の選手に限り、団体競技での出場や軍の関係者の出場を認めないなどとする条件を28日に国際競技連盟に勧告したことに対し、一部の政府から批判が出ていることについては「スポーツの自律性を尊重しないことは嘆かわしいことだ。政府が、どの選手が出場できるかどうかを決めたらスポーツの世界の終わりだ」と反論しました。