国交省元事務次官 “民間会社次期社長に国交省OBを”要求か

国土交通省の元事務次官が、去年、空港施設の運営会社の幹部と面会し、国土交通省OBを次期社長にするよう求めていたことがわかりました。会社側は「国土交通省としてサポートする」と言われたとしていて、元事務次官は「国土交通省の権限をかさにお願いしたことは一切ないが、誤解を招いたとすれば不徳の致す限りだ」などと話しています。

関係者によりますと、国土交通省の本田勝元事務次官(69)が、去年12月、空港施設を運営している東京・大田区の企業「空港施設」を訪れて社長や会長と面会し、国土交通省の幹部だったこの会社の副社長を次の役員人事で社長にするよう求めたということです。

会社によりますと、自身は「OBの名代」などと説明したほか「副社長が就任すれば国交省としてサポートする」とも述べたということです。

これに対し会社側は「取締役会などのプロセスを踏む必要がある」として依頼を断ったとしています。
「空港施設」社の乘田俊明社長は「以前は社長を国交省OBが務めてきたので、再び国交省から出したいという意向が強いと受け止めた」と話していました。

本田元事務次官は取材に応じ「国土交通省の権威や権限をかさにお願いしたことは一切ないが、誤解を招いたとすれば不徳の致すところで反省しないといけない」と話しています。

内閣府によりますと、国家公務員法では省庁による再就職のあっせんや、現役職員による利害関係企業への地位の要求などが禁じられていますが、元職員によるあっせんについて法律の規制はないということです。

国土交通省は「現役職員の関与はないと確認しており、OBの言動についてコメントする立場にはない」としています。

官房長官 国土交通省「関与していないと聞いている」

松野官房長官は、午前の記者会見で「報道は承知しているが、民間企業の役員人事について政府の立場からコメントすることは差し控える。国土交通省からは、本件について関与していないと聞いている」と述べました。