ロシア報道官 欧米との対立深まり “軍事侵攻 長期化する”

ロシアがウクライナ侵攻を開始してから400日となるのを前にロシア大統領府の報道官は「広い意味の戦争でいえば長引くことになる」と述べ、軍事侵攻が長期化するという認識を示しました。そのうえで「われわれは大統領を中心に結束する必要がある」と述べ、国民に結束を求めました。

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始して30日で400日となります。

これを前にロシア大統領府のペスコフ報道官は29日、軍事侵攻の見通しについて記者団に聞かれ「敵対する国や非友好的な国々との対決、われわれの国に対するハイブリッド戦争など、広い意味の戦争でいえば長引くことになる」と述べ、欧米との対立が深まる中、侵攻は長期化するという認識を示しました。

その上で「われわれは大統領を中心に結束する必要がある」と述べ、国民に結束を求めました。

これに関連してイギリスの新聞ガーディアンの電子版は28日、ペスコフ報道官が去年暮れに開かれた私的な夕食会で、政界の高官や文化人を前に「状況はさらに難しくなる。非常に長い時間がかかるだろう」と述べたと、匿名の参加者の話として伝えています。

28日にはショイグ国防相が兵器工場を訪れ、増産に取り組むよう指示するなどプーチン政権は、ウクライナへの軍事支援を加速させている欧米に対抗し、軍事侵攻を続ける姿勢を鮮明にしています。

こうした中、ウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトの戦況をめぐって、ウクライナ軍の参謀本部は29日「敵は攻撃を繰り返し一部で押し込んでいるが、われわれは何度も退けている」と発表し、一進一退の攻防が続いているという見方を示しました。

ウクライナ国防省のマリャル次官は29日、SNSに「残念ながら戦争には損失がつきものだ。しかし敵の損失は何倍も大きい」と投稿し、大規模な反転攻勢に向けてバフムトを防衛し続ける考えを強調しました。