コロナ禍でパスポート失効多く 旅行業界 取得更新促す取り組み

コロナ禍で海外旅行の需要が落ち込み、パスポートを更新せずに失効した人が多いとして、旅行会社でつくる業界団体は、パスポートの取得や更新を促す新たな取り組みを始めることになりました。

日本政府観光局によりますと、日本を訪れる外国人旅行者の数は、先月、コロナ禍前の2019年の同じ月と比べ、56%に回復した一方で、出国する日本人は2019年の35%と回復が遅れています。

旅行会社でつくる業界団体「日本旅行業協会」では、出国する人の回復が遅れている要因として、コロナ禍で海外旅行の機会が大きく減り、パスポートを更新せず、そのまま失効した人が多いことがあるとみて、パスポートの取得や更新を促す新たなキャンペーンを始めることになりました。

対象となるのは、5月から9月の間にパスポートの取得や更新を行うとともに、7月から9月の間に海外へ行った人となります。

抽せんで最大およそ3000人に対し、1人8000円相当の電子ギフト券が提供されるということです。

業界団体によりますと、去年の日本人のパスポートの保有率はおよそ17%と、2019年から6ポイント減少したということです。

日本旅行業協会の酒井淳副会長は「一度取得すれば何回でも海外に行けるので、できるだけ多くの人にパスポートを取得してほしい」と話していました。