日本被団協 劣化ウラン弾の供与や戦術核兵器の配備に抗議表明

イギリス政府がウクライナに劣化ウラン弾の供与を表明し、ロシアのプーチン大統領が、隣国ベラルーシに戦術核兵器を配備する方針を明らかにしたことを受けて、全国の被爆者団体で作る日本被団協は抗議の談話を発表しました。「戦争に勝者はいない」として対話による解決を求めています。

イギリス政府は20日、ウクライナに戦車の装甲を貫通する能力が高い劣化ウラン弾を供与することを明らかにしました。

一方、ロシアのプーチン大統領は、25日に公開されたインタビューの中で、同盟関係にあるベラルーシに戦術核兵器を配備する方針を明らかにしました。

これについて、日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会は、29日に抗議の談話を発表しました。

この中で、「劣化ウラン弾は、放射性物質により人体への被害や環境汚染が明らかになっていて、使用はやめるべきです」と呼びかけています。

また、「ベラルーシへの戦術核兵器は、アメリカがNATO諸国に配備してきたことを含め、核使用の可能性を高め、世界を核戦争の危機に追い込み、人類の破滅をもたらす誤った戦術に他なりません」と非難しています。

そのうえで、「これまで人類が世界が築いてきた、すべてを無くし、その先に何を求めようとしているのですか。私たち被爆者は、長引く戦闘の一刻も早い終結を願います。対話による努力こそが、終結へのなすべき平和的な戦術です。核戦争に勝者はいません。戦争に勝者はいません」と訴えています。