大相撲番付編成会議 新十両に藤青雲と時疾風が昇進へ

ことし5月に行われる大相撲夏場所に向けた番付編成会議が開かれ、春場所の幕下で好成績をあげた藤青雲と時疾風が、新たに十両に昇進することが決まりました。

日本相撲協会は、5月に東京 両国の国技館で行われる夏場所に向けた番付編成会議を開き、藤島部屋の藤青雲と時津風部屋の時疾風の2人を新たに十両に昇進させることを決めました。

藤青雲は熊本県出身の25歳。
明治大学を卒業後、社会人を経て藤島部屋に入門しおととしの春場所で初土俵を踏みました。

持ち味の右四つの相撲で順調に番付を上げ、東の幕下2枚目で迎えた春場所は4勝3敗と勝ち越しました。

時疾風は宮城県出身の26歳。
東京農業大学から時津風部屋に入門し、平成31年の春場所で初土俵を踏みました。

その後、左四つ相撲を磨き、春場所は東の幕下3枚目で4勝3敗の成績を残しました。

宮城県出身の新十両は平成7年名古屋場所の五城楼以来28年ぶりです。

また、京都府出身の千代栄の再十両が決まりました。

このほか、モンゴル出身で元幕内力士の鏡桜ら8人の引退が発表されました。

大相撲夏場所は5月14日に初日を迎えます。

藤青雲「15日間 毎日相撲を取れることが楽しみ」

藤青雲は29日、大阪市で記者会見に臨み、「今はまだ実感がなくて、ちょっとふわふわした感じだ。15日間毎日相撲を取れることがいちばん楽しみ」と心境を語りました。

また、熊本地震からまもなく7年となることを踏まえ、「自分の相撲で元気になってくれる方がいたらうれしい。少しずつ番付を上げていって、幕内に上がりたい」と意気込みを示しました。

一方、明治大学出身の関取が、平成12年夏場所の武雄山以来23年ぶりとなったことについて、「部屋付きの親方をしている元幕内 武雄山の山分親方を慕って部屋に入り、相撲を取らせてもらって本当によかった」と話していました。

そして、「社会人で仕事をしたまま後悔するより、夢を追いかけて関取になれたので、よかったと思う」と話しました。

時疾風「やっと上がれたという感じ」

時疾風は29日、大阪市で記者会見に臨み、入門から4年での昇進に「やっと上がれたという感じだ。これまでチャンスが何度かあって、もっと早く上がりたいと思っていたのでうれしい」と率直な心境を語りました。

中学2年生のときに東日本大震災で被災した経験が、角界入りを決めたきっかけの一つだということで「大相撲に入る時から地元を盛り上げたいという気持ちがあった。とりあえず近い将来、幕内に上がることを目標に頑張りたい。もっと強くなって恩返ししたい」と意気込みを示しました。

師匠で元前頭筆頭、土佐豊の時津風親方は、おととし部屋を引き継いでから初めての関取で「いろいろ大変なこともあったがその中でも一番うれしいことだ。現役含め、地元の小中学生にも目指してもらえるような力士になってほしい」と期待を寄せました。