サッカー日本代表 コロンビアとの強化試合に敗れる

サッカー日本代表は、28日夜、大阪市でコロンビアと強化試合を行い、三笘薫選手のゴールで先制しましたが、その後、逆転され1対2で敗れました。

世界ランキング20位の日本は今月24日にワールドカップカタール大会後の最初の強化試合でウルグアイと引き分け、2戦目の28日は大阪市のヨドコウ桜スタジアムで世界17位のコロンビアと対戦しました。

日本の先発メンバーは▽イングランドプレミアリーグで活躍する三笘選手のほか、▽ウルグアイ戦で同点ゴールを決めた西村拓真選手や▽初選出のバングーナガンデ佳史扶選手などウルグアイ戦からメンバーを4人入れ替えて臨みました。

日本は前半3分、右サイドからの守田英正選手のクロスボールを三笘選手がヘディングで合わせて先制しましたが、33分にはサイドを崩されて同点とされました。

後半は立ち上がりからコロンビアに主導権を握られ、16分にドイツ1部リーグのフランクフルトで鎌田大地選手とチームメートのラファエル・サントス・ボレ選手に鮮やかなオーバーヘッドキックでシュートを決められ、勝ち越しを許しました。

日本はその後、攻勢を強めましたが、途中出場したフォワードの上田綺世選手の高い打点のヘディングシュートがゴールキーパーの好セーブに防がれるなど得点を奪うことはできず、1対2で敗れました。

日本が去年のワールドカップ後、最初の代表活動で行った強化試合2試合は1敗1引き分けとなり、勝利を挙げることはできませんでした。

三笘薫選手 “絶対的な存在”は「全然まだまだ」

先制ゴールをマークした三笘薫選手は試合を振り返って「相手のうまさがすごく光っていたと思うし、それを引き出してしまい、もっとチームとして守備の強度を上げないといけないと感じた。ウルグアイ戦のようにセカンドボールをたくさん拾われて、押し込まれたのは課題だと思う」と話しました。

先制ゴールの場面については「ダイレクトですばらしいボールが来たので決めないといけないシーンだったと思うし、いいポジションを取れて勢いを持ってゴール前に入れたことがよかったと思う」と振り返りました。

また、イングランドプレミアリーグでもヘディングでゴールやアシストをマークしていることから「ヘディングは得意ではないが、すごく自信になってきている」と話しました。

そして、自身がワールドカップ後に目標として掲げた“絶対的な存在”に近づいているかと問われると「全然まだまだですね。『こいつにボールを預ければどうにかなる』というところまでいきたいので、そういう選手にならないといけない」とさらに上を見据えました。

そのうえで所属クラブでのプレーや6月に控える次の代表活動に向けて「チームもいい順位で、自分も自信を持ってシーズンを終えて代表活動に参加できるようにしたい。きょうのような試合展開にならないように自分たちが優位に試合を進められるようにもっと能力をつけて戻ってきたい」と話していました。

久保建英選手「プレーのあらさが出てしまった」

途中出場した久保建英選手は「自分たちが流れを変えようと入ったが失点してしまって個人的にもチームとしても焦っていたというか、『俺が、俺が』になってプレーのあらさが出てしまった。丁寧な組み立てができることが日本のよさだと思うので丁寧につないだり、相手の嫌がることに時間をかけたりできればよかった」と話しました。

そして、6月に予定されている次の代表活動に向けては「所属クラブでは気を抜いたらすぐベンチに戻ってしまう。しっかり得点を取ってチームのヨーロッパチャンピオンズリーグ出場に貢献して戻って来られればいい」と、所属クラブでの活躍を誓っていました。

鎌田大地選手「攻撃でも守備でも自分の質がもの足りない」

前回のウルグアイ戦より1列下がってボランチとして先発出場した鎌田大地選手は「できるだけ多くボールを触ることをスタッフ陣から求められていた。うまくつなげていたシーンはあったと思うし、もっとよくなると思う」と話しました。

そのうえで「攻撃でも守備でも自分の選手としての質がまだもの足りないと感じた。僕は突出したものがある選手ではないので、すべてのレベルを全体的に上げていかないとだめだ。所属クラブでしっかりやり続けていきたい」とさらなる成長を誓っていました。

森保一監督「反省しないといけない」

日本代表の森保一監督は試合後の会見で「いい形で先制点を奪った中で試合をコントロールしながら相手にダメージを与えることがなかなかできず、反省しないといけない。ワールドカップからメンバーが替わる中で、チームとしてのチャレンジや共通意識のクオリティーを上げようとしてくれたことに関しては、今できることを頑張ってくれた」と総括しました。

そのうえで守備面での課題について「局面での強度や相手との間合いを詰める部分、ボールを奪うところはまだまだこれから上げていかないといけない」と話しました。

一方、この試合では、森保監督がメモを書いて後半、途中出場した浅野拓磨選手を通してピッチ上の遠藤航選手に手渡される場面がありました。

記者から何が書かれていたかを問われた森保監督は「フォーメーションの形を選手が把握できるようにした。トレーニングではやっていない形だった」と述べ、新たなフォーメーションに変更するための指示だったと説明しました。