外環道の全区間工事中止求めた住民の即時抗告退ける 東京高裁

首都圏の環状道路の1つ「東京外かく環状道路」のトンネル掘削工事を全面的に中止するよう求めている住民たちが、一部の区間に限り工事の中止を命じた裁判所の決定を不服として行っていた即時抗告について、東京高等裁判所が28日までに退ける決定をしたことがわかりました。

東京外かく環状道路=通称「外環道」の建設予定地の周辺住民たちは「シールドマシン」という巨大な掘削機で地下深くを掘り進める方法に問題があるとして、国と東日本高速道路などに、トンネル掘削工事そのものの中止を求める仮処分を申し立てています。

この申し立てについて去年2月、東京地方裁判所は「有効な対策が採られないまま、同じ工法で工事が再開されれば身体や生命に危険が生じるおそれがある」などとして、3年前に道路の陥没が見つかった東京 調布市の地域を含む東名ジャンクションから中央ジャンクション先までのおよそ9キロの区間に限り、同じ工法での工事の中止を命じ、それ以外の区間については退けました。

住民側はすべての区間について工事の中止を認めるよう即時抗告しましたが、東京高等裁判所の吉田徹裁判長は「陥没した場所以外で、陥没事故などが起きるおそれがあるとは直ちに言えない」などとして28日までに退ける決定をしました。

「外環道」の工事は、東京地裁の決定で工事が停止している区間以外はトンネルの掘削作業が行われています。

住民側の弁護士は

決定について住民側の弁護士は「当事者と協議して最高裁判所に不服を申し立てるか検討したい」とコメントしています。