中国 上海 厳しい外出制限から1年 経済の持ち直し進むかが課題

中国最大の経済都市・上海で、新型コロナウイルスの感染拡大を徹底して抑え込むため2か月余り続けられた厳しい外出制限が始まった日から28日で1年になります。
中国では、ことし1月、「ゼロコロナ」政策は終了しましたが、上海では、今後、経済の持ち直しが進むかが課題となっています。

中国の上海では、新型コロナウイルスの感染対策で1年前の3月28日から厳しい外出制限が2か月余り続けられ、住民の生活のほか、経済活動にも混乱が広がりました。

経済への影響は深刻で、上海市の去年の域内総生産の伸び率は、前の年と比べてマイナス0.2%と1978年以降で初めてマイナスとなりました。

中国経済のけん引役となってきた上海の今後の動向は、中国経済全体にも大きな影響を与えるとみられています。

ただ、上海市の消費動向を示す統計によりますと、ことし1月と2月は、去年の同じ時期と比べて2.7%の減少と飲食業などでの消費が落ち込んでいて、今後、経済の持ち直しが進むかが課題となっています。

上海で2軒の居酒屋を営む疋田豪さんは「厳しい外出制限が始まる前に借金をして新店舗を開きましたが、客は最近増えてきたところで、借金はまだ返せていません。客足がさらに増えると信じて人件費などコストを抑えながら続けるしかありません」と話していました。