首相 “中国に責任ある対応を強く求める” 停戦呼びかける文書

岸田総理大臣は、ウクライナ情勢で中国が先月発表した対話と停戦を呼びかける文書について、ウクライナ側は、すべてのロシア軍の撤退がなければ不適切だとしているとしたうえで、中国に引き続き、責任ある対応を求めていく考えを示しました。

岸田総理大臣は参議院本会議で、今回のウクライナ訪問について報告しました。

この中で、「ロシアは、ウクライナに対する攻撃を続け、プーチン大統領は、併合した地域は交渉の対象ではないとの趣旨の発言を行うなど、歩み寄ろうとする兆しは一切見せていない」と述べました。

そして、中国が先月発表したロシアとウクライナに対話と停戦を呼びかける文書について、「ゼレンスキー大統領は理解できる点も、合意できない意見もあるとしたうえで、『すべてのロシア軍の撤退が規定されていないのであれば、不適切だ』と述べたと承知している」と述べました。

そのうえで、「ウクライナの将来を決める交渉にいかに臨むかは、ウクライナの人々が決めるべき問題だ。ウクライナ情勢をめぐり、中国とも意見交換を行っているが、引き続き、責任ある対応を強く求めていく」と述べました。

しゃもじ贈った理由 “激励と平和祈念の思い伝達するため”

そして、ゼレンスキー大統領に対し、広島特産の「必勝」と書かれたしゃもじなどを贈った理由について、「ロシアによるウクライナ侵略に果敢に立ち向かっている大統領とウクライナ国民への激励に加え、平和を祈念する思いを伝達するためのものだ」と述べました。

また、ウクライナ訪問の情報管理をめぐり、「危険地域における報道の在り方については、安全対策や情報管理などの観点から不断に検討を行っていく」と述べました。

広島サミットへ韓国招待 “国際社会の課題対応で協力できる”

一方、5月のG7広島サミットへの韓国の招待をめぐり岸田総理大臣は、「ユン大統領は、インド太平洋戦略を発表するなど、地域の平和と繁栄にコミットする積極的な対外姿勢を示しており、国際社会が直面するさまざまな課題への対応において協力できる。韓国が参加することは有意義だ」と述べました。