遊園地や水族館・動物園 入場チケットなど36%余が値上げ

全国の遊園地や水族館などを対象に民間の信用調査会社が調べた結果、光熱費や原材料の上昇などで、この1年で入場チケットなどを値上げしたのは36%余りに上ることがわかりました。

「帝国データバンク」は全国の主な遊園地や水族館、動物園あわせて190の施設を対象に、施設に入るために必要な入場チケットの価格の動向を調べました。

それによりますと、この1年で値上げしたのは70施設で全体の36.8%でした。

具体的には
▽入場チケットの値上げは62施設、
▽入場料は据え置いたものの乗り放題パスなどを値上げしたのは8つの施設でした。

値上げの理由を確認できた38の施設についてまとめたところ、理由が複数のケースも含め、最も多かったのは
▽「光熱費の上昇」で27の施設、次いで
▽「えさ代・原材料の高騰」で19の施設などとなっています。

信用調査会社によりますと
▽水を循環させるポンプや水温の温度調節が必要な水族館や
▽ジェットコースターなどの乗り物が多い遊園地などでは光熱費がこの1年で1.5倍から最大では3倍近くに増えたケースもありました。

また、入場チケットの平日価格の平均はことし4月の時点で1739円となっていて、去年の同じ月より85円、率にして5%あがります。

帝国データバンクは「コロナ禍で臨時休館や集客数の制限を余儀なくされ収益力が弱まっていたなかで、コストの増加が大きな重荷となっている。来館者数を増やすことで収入を上げるなどの取り組みを続けているが、今後もチケットの値上げを迫られる可能性がある」としています。

サンシャイン水族館「運営は大変 お客さん楽しんで」

東京 池袋にあるサンシャイン水族館は、今月18日から入場料金を値上げしました。

入場料金は曜日などによって変動し、大人と子どもも100円から200円引き上げられました。大きな要因は電気代の値上がりです。

水族館では少しでもコストを抑えようと、館内や水槽の設定温度を見直したり、水槽の照明を電気使用量が抑えられるLEDに変更する工事を今月から進めたりしています。
しかし、水槽の水を浄化して循環させるポンプや水温を一定に保つための装置は24時間動かし続ける必要があり、節電にも限界があるといいます。

また、輸送コストの上昇などでアジやエビなどのえさ代も上がっていますが、動物の健康面を考えると安い飼料に変更することは難しいといいます。

水族館を訪れた人は「電気代も上がっているでしょうし、少しくらい高くてもいいかなと思います」とか、「料金は安いとありがたいですが、子どもが行きたいというのであまり値段を考えずに来ています」と話していました。

水族館の運営会社の二見武史部長は、「新型コロナの影響や物価高が続き水族館の運営は大変ですが、悲観的に捉えていたら乗り切ることはできません。お客様に楽しんでいただくことを大事にして取り組んでいきたい」と話していました。