【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(26日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる26日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ高官「敗戦恐れ戦術核兵器で脅すしかない」

ウクライナのポドリャク大統領府顧問は26日、ツイッターで「プーチン大統領は敗戦を恐れ、戦術核兵器で脅すしかないことを認めたようなものだ。核不拡散条約に違反するという犯罪への関与も表明した」と批判しました。

また、ウクライナの国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は26日、ツイッターに「ベラルーシ社会でプーチン大統領に対する国民の拒絶のレベルを最大限に高めるものだ。プーチン政権はベラルーシを核の人質にした」と投稿し、ベラルーシで反発が出るとの見方を示しました。

米 戦争研究所「核兵器めぐる欧米の懸念利用」

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は25日「プーチン大統領は、核兵器をめぐる事態の悪化に対する欧米の懸念を利用しようとしている」と分析し、核戦力で威嚇することで、ウクライナ軍の大規模な反転攻勢への士気をくじき、欧米の軍事支援を弱めようとしているとの見方を示しました。

プーチン大統領への逮捕状 外交活動に支障出るという見方も

ICC=国際刑事裁判所が先週、ロシアのプーチン大統領に対し、ウクライナの占領地から子どもを移送している戦争犯罪の疑いで逮捕状を出したことについて、国際刑事裁判所に参加している120以上の国や地域は、今後プーチン大統領が入国した際には拘束する義務を負うことになったことから、今後、大統領が自由に各国を渡航できなくなり、外交活動に支障が出るという見方もでています。

ことし8月には裁判所の管轄権を受け入れている南アフリカでBRICS=新興5か国の首脳会議が開かれますが、プーチン大統領が出席するかどうかについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は24日「大統領の出席はまだ決まっていない」と述べるにとどまっています。

米NSC報道官「核兵器準備の兆候見られず」

ロシアのプーチン大統領がベラルーシに戦術核兵器を配備することで合意したと明らかにしたことについて、アメリカ・ホワイトハウスのNSC=国家安全保障会議の報道官は25日、NHKの取材に対し「ロシアの発表は把握しており、影響を注視していく」と述べました。

一方で「ロシアが核兵器の使用を準備している兆候は見られない」と述べ、現状ではロシアが核兵器使用の準備を進めている動きは把握していないとしています。

その上で「われわれは、NATO=北大西洋条約機構の集団防衛に引き続き関与していく」と述べ、ロシア側の出方を見極めながら同盟国の防衛にあたる姿勢を強調しました。

米 バイデン大統領 ロシアと中国の動きをけん制

アメリカのバイデン大統領は24日、訪問先のカナダで行った記者会見で、ロシアと中国の首脳会談などが国際情勢に与える影響について聞かれると、「私は中国もロシアも軽視はしていない。一方で両国の関係は過大視されているとも思う」とけん制しました。

その上で中国によるロシアへの軍事支援の可能性については「中国はまだ殺傷能力のある兵器をロシアに供与していない。しかし、それは今後も供与しないことを意味するわけではない」と述べ、中国の動向を引き続き警戒していく考えを示しました。

プーチン大統領 “ベラルーシに戦術核兵器を配備で合意”

ロシアのプーチン大統領は25日に公開された国営メディアのインタビューの中で、同盟関係にあるベラルーシのルカシェンコ大統領からの要請に応じて、ベラルーシに戦術核兵器を配備することで合意したと明らかにしました。そしてことし7月1日までに、ベラルーシ国内に戦術核兵器を保管する施設が建設される予定だとしています。

ロシアはすでにベラルーシに核兵器を搭載できるミサイルを配備していますが、今回、戦術核兵器そのものも配備すると明らかにすることで、ウクライナ情勢をめぐり対立する欧米諸国へのけん制を強めるねらいがあるとみられます。

増え続ける兵士の墓で祈り

18世紀後半から続くリビウ市内最大の墓地には、去年のロシアの軍事侵攻以降、戦死した兵士を埋葬する区画が設けられ、新しい墓が次々とできています。

ウクライナで死者を悼む日にあたる25日、墓地には死亡した兵士の家族や親戚など多くの人が訪れ、花を手向け涙を流しながら祈りをささげていました。

従軍していた25歳の息子を亡くした51歳の男性は「毎日ここに来て祈っています。大切な一人息子でした。優秀な若者たちが次々と命を落としています」と話していました。

39歳の息子を亡くした65歳の女性は「あすで息子が亡くなって1年になります。時間の経過とともにつらさは癒えていくと人は言いますが、そんなことはありません」と話していました。

戦闘が長期化するなか、墓地では埋葬する場所が不足するようになっていて、去年4月以降、隣接する土地を新たな墓地にしました。

その新しい墓地にもすでに300人以上の兵士が埋葬され、日々多くの命が失われているウクライナの現実を示しています。

ICRC “激戦地バフムト近郊 約1万人の市民がいる可能性”

ウクライナ東部で活動しているICRC=赤十字国際委員会の担当者は24日にオンラインで行った記者会見で、東部ドネツク州の激戦地バフムト近郊の状況について「激しい砲撃にさらされ、ほぼ一日中、シェルターの中で過ごすなど、人々はとても悲惨な状況の中で生活している。家は砲撃によって押しつぶされ、アパートは穴だらけだ」と述べました。

そして「数千人の市民がまだバフムトで暮らしている。さらに周辺を見ると、およそ1万人の市民が残っている可能性がある」と述べ支援の必要性を訴えました。

ロイター通信が25日配信した映像では、バフムト近郊の街で人々が列をつくり水や支援物資を受け取っている様子が確認できます。