猪苗代湖ボート事故 操縦の元会社役員禁錮2年の実刑判決 福島

3年前、福島県の猪苗代湖で、沖合にいた親子ら3人を、操縦していたボートに巻き込んで死傷させたとして業務上過失致死傷の罪に問われた元会社役員に対し、福島地方裁判所は無罪主張を退けて禁錮2年の実刑判決を言い渡しました。

福島県いわき市の元会社役員佐藤剛被告(45)は、2020年9月、会津若松市の猪苗代湖で見張りなどを怠ったままボートを操縦し、ライフジャケットを着けて沖合に浮いていた家族など3人を巻き込んで、8歳の男の子を死亡させたほか、母親など2人に大けがをさせたとして、業務上過失致死傷の罪に問われました。

裁判で検察が禁錮3年6か月を求刑したのに対し、弁護側は「被告は注意義務を果たしていた」として無罪を主張していました。

24日の判決で、福島地方裁判所の三浦隆昭裁判長は「現場は、陸地からの距離も近いことなどから浮かんでいる人がいることを予見することが可能で、見張りを厳密に行い、安全を確認して航行していれば衝突を回避できた」と指摘しました。

そのうえで、「被害者らが浮かんでいた場所は遊泳が禁止されている区域で、発見しにくい状況にあったことは否定できないが、過失の程度が小さいとはいえない」として、禁錮2年の実刑を言い渡しました。

被告は、判決を不服として控訴しました。

被告弁護士「残念な結果 承服できない」

被告の弁護士は、判決言い渡しのあと報道陣の取材に応じ「残念な結果だった。被告が湖面に浮いていた被害者を発見できたとの指摘は承服できない。弁護側の主張が吟味されたとは思えない内容だった」と述べました。

息子を亡くした母親「実刑判決と聞き安心して涙が」

この事故で当時8歳の息子を亡くし、みずからも両足を失った37歳の母親は、判決言い渡しのあと報道陣の取材に応じ「湖での事故は、証拠が残りにくく難しい捜査だというのはわかっていたので不安でしたが、実刑判決と聞いて安心して涙が出ました」と述べました。

また、50歳の父親は「有罪判決が出て、すぐに心の中で息子に報告しました。事故からきょうまでの2年半感じてきた、どうしようもないほどの悲しさや怒りは今後も変わることはありません」と述べました。