フィリピンと中国 南シナ海領有権めぐり協議 対面では4年ぶり

フィリピンと中国は、領有権をめぐって争う南シナ海について4年ぶりに対面で協議を行い、対立の緩和に向けて進展があるかが焦点となります。

両国の外務当局による協議は、フィリピンの首都マニラで23日から2日間の日程で始まり、フィリピンのラザロ外務次官と中国の孫衛東外務次官が出席しました。

南シナ海をめぐる両国の対面での協議は4年ぶりで冒頭、ラザロ次官は「フィリピンは、今回の協議を非常に重視している。両国の協力関係を発展させるために、ともに取り組めることを期待している」と述べました。

これに対し孫次官は「友好的な協議を通じて意見の違いを適切に処理し、両国関係を引き続き、前向きに発展させたい」と応じました。

両国はことし1月、マルコス大統領が中国を訪れて首脳会談を行い、協議を通じて海上の問題を適切に解決するとしていました。

一方で、南シナ海では先月、フィリピンの巡視船が、中国海警局の船からレーザー光線の照射を受けたと訴えたのに続き、今月初めには、中国海軍の艦艇を含む船舶40隻以上が、フィリピンが実効支配する島の周辺海域で確認されるなど、両国の対立は続いています。

さらに、マルコス政権は、先月には中国と対立するアメリカがフィリピンで使用できる基地を増やすことで合意していて、4年ぶりの対面での協議で中国とフィリピンの対立の緩和に向けて進展があるかが焦点となります。