去年 国内でHIVへの感染確認870人 過去20年で最少 厚労省

去年、国内でHIV=ヒト免疫不全ウイルスへの感染が確認された人は870人で、過去20年で最も少なくなったことが厚生労働省のまとめで分かりました。新型コロナウイルスの影響で検査の数が少ない状況が続いていることから、厚生労働省は感染に心当たりがある人は早めに検査を受けるよう呼びかけています。

厚生労働省によりますと、去年1年間に全国の保健所や医療機関などでHIVへの感染が確認された人は速報値で870人でした。

前の年より187人、率にして18%減少していて、過去20年で最も少なくなりました。
このうち、およそ3割がエイズ=後天性免疫不全症候群を発症していたということです。

また、去年行われた検査の数は7万3104件でした。

過去20年間で最も少なかったおととしと比べると、およそ1万5000件増加しましたが、新型コロナの感染拡大前の2019年と比較するとおよそ半分にとどまっています。

厚生労働省は、新型コロナによる業務ひっ迫で保健所や医療機関による検査が滞った状態が続いたほか、受検者の検査控えも影響したとみていて、感染者を十分に把握できていないおそれがあるとしています。

そのうえで、早い段階で治療を始めればエイズの発症を抑えることができるほか、感染を広げるリスクも減らすことができることから、感染に心当たりがある人は早めに検査を受けるよう呼びかけています。