大阪 吹田の交番襲撃 2審は無罪に “事件当時責任能力なし”
4年前、大阪 吹田市の交番で警察官を包丁で襲って拳銃を奪ったとして、強盗殺人未遂などの罪に問われた36歳の被告について、2審の大阪高等裁判所は、事件当時、責任能力がなかったと判断し、懲役12年とした1審判決を取り消し、無罪を言い渡しました。
2019年6月、吹田市の交番の前で警察官が包丁で襲われ拳銃が奪われた事件では、東京 品川区に住んでいた無職の36歳の被告が強盗殺人未遂や公務執行妨害などの罪に問われました。
被告の弁護士が「統合失調症による妄想が原因で、責任能力がなかった可能性がある」と無罪を主張したのに対し、1審の大阪地方裁判所は、おととし8月、限定的な責任能力があったと判断して、懲役12年を言い渡し、弁護側が控訴しました。

20日の2審の判決で、大阪高等裁判所の齋藤正人裁判長は「拳銃を奪おうとした動機は、極めて唐突で奇異なものだ。被告は重い統合失調症の影響で物事の善悪を判断できない状態だった」として、事件当時、責任能力がなかったと判断し、1審を取り消し、無罪を言い渡しました。
大阪高検「判決内容を精査し適切に対応」
大阪高等検察庁の小弓場文彦次席検事は「判決内容を精査した上で適切に対応する」というコメントを出しました。