ウクライナ プーチン大統領のマリウポリ訪問を批判

ロシアのプーチン大統領は、一方的に併合した南部クリミアや東部ドネツク州の要衝を相次いで訪問し、ロシア側の支配を誇示しました。これに対し、ウクライナ政府は反発しています。

ロシア大統領府は19日、プーチン大統領が去年9月に一方的に併合したウクライナ東部ドネツク州の要衝マリウポリを訪問したと発表しました。

軍事侵攻以降、ロシア側が掌握した地域をプーチン大統領が訪れたことが明らかにされたのは初めてで、大統領府が公開した映像では、辺りが暗い中、大統領がみずから車を運転して市内を視察し、助手席に座る副首相から説明を受ける様子が見られます。
これに対し、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は「犯罪者は必ず犯行現場に戻るということだ」とツイッターに投稿し、プーチン大統領にICC=国際刑事裁判所から戦争犯罪の疑いで逮捕状が出されたことを念頭に批判しました。

プーチン大統領は18日には、一方的に併合した南部クリミアも訪れていて、ロシア側による支配を誇示するねらいがあるものとみられます。
一方、ロシア側は占領している南部ザポリージャ州の都市メリトポリを州都にすると一方的に宣言したとイギリス国防省が19日、発表しました。

州都ザポリージャの占領をロシアは狙っていたものとみられますが、反転攻勢を強めているウクライナ軍は、この都市を守っています。

ロシアは占領できる可能性が非常に低いと判断し、代わりにメリトポリを州都にすると宣言したのではないかと、イギリス国防省は分析しています。