ロシア大統領「あらゆる脅威阻止」クリミア一方的併合から9年

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ南部のクリミアを一方的に併合して18日で9年になるのにあわせて併合を改めて正当化したうえで、「あらゆる脅威を阻止する」と述べ、ウクライナや欧米をけん制しました。

プーチン大統領は17日、クリミアを支配する地元のトップなどとオンラインで会議を開き、この中で「9年前に住民たちは、永遠にわれわれの大国の一部になるという歴史的な選択をした」と述べ、住民投票で多数の賛成を得たとして、クリミアを一方的に併合したみずからの決定を改めて正当化しました。

そのうえで、「特に、今は安全保障の問題が優先事項だ。われわれはあらゆる脅威を阻止する」と述べ、クリミアの奪還を目指す姿勢を強めるウクライナや、ウクライナへの軍事支援を強化する欧米をけん制しました。

クリミアをめぐって、ウクライナとロシアの市民からは対照的な声が聞かれました。

ウクライナの首都キーウでは奪還すべきだという声が多く、このうち25歳の男性は、「ロシアをクリミアからも追い出して倒すことこそ、戦争を終える唯一の道だ」と話していました。

一方、ロシアの首都モスクワでは「歴史的にロシアの土地だ」と主張する意見が相次ぎましたが、中には、「なぜ、土地の奪い合いが起きるのか理解しがたい。平和的な方法で解決することは可能で、私はどちらの立場にもつかない」と話す18歳の男性もいました。