
破壊されていない建物は5%から10% バフムト副市長が被害語る
激戦が続くウクライナ東部のバフムトの副市長がNHKのオンラインインタビューに応じ「破壊されていない建物は、5%から10%くらいしか残っていない」と述べ、ロシア軍の攻撃を非難しました。
東部ドネツク州にあるバフムトは、ウクライナ側の拠点の一つで、ウクライナ軍とロシアの民間軍事会社ワグネルの部隊などとの激戦が続いています。
こうした中、バフムトのオレクサンドル・マルチェンコ副市長が17日、バフムト近郊からNHKのオンラインインタビューに応じ、現地の情勢を説明しました。
マルチェンコ副市長は「バフムトはいま非常に厳しく困難な状況で、敵が包囲を試みている。バフムトへの攻撃は日に日に強まっている」と述べたうえで、街の半分がすでにロシア軍によって掌握されたという認識を示しました。
そして「バフムトで破壊されていない建物は、5%から10%くらいしか残っていない」と述べ、これまでの戦闘で、街全体が甚大な被害を受けたと訴えました。
副市長によりますと、バフムトにはいまも高齢者を中心に2900人から3000人ほどの住民が残っているということです。
その理由については「体調などを理由に避難したがらない住民もいる。街からの避難経路は、ウクライナ軍が押さえているが、敵の攻撃にさらされ、危険な状態だ」と述べ、住民の避難の難しさを訴えていました。
また、副市長は、バフムトでは去年2月以降、敵の進軍を食い止めるためのざんごうや障害物を設置し、防衛力を高めてきたとしたうえで「こうした構造物が、今後ウクライナ軍の防衛や反撃を助けることを期待している」と述べ、バフムトはまだロシア軍の攻撃に耐える余力があることを強調しました。
その上で「バフムトで行われているのは集団虐殺であり、殺人だ。国際社会の団結によってこれをやめさせ、街を再建しなければならない」と述べ、国際社会に一層の支援を訴えました。