【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(18日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる18日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

キーウ 幼稚園児がシェルターに慣れる訓練

ウクライナ各地でロシアによるミサイル攻撃が繰り返され、毎日のように防空警報が発令されるなか、首都キーウの幼稚園では、子どもたちが怖がらずに避難できるようシェルターの環境になれる訓練が行われています。

キーウ中心部にある幼稚園ではロシアによる軍事侵攻を受けて、去年の夏から倉庫として使っていた地下室を防空警報が発令された際に園児と教諭などが避難するシェルターとして活用しています。

シェルターの壁には、イラストやシールが貼られ、園児たちのお気に入りのおもちゃを用意するなど子どもたちが不安にならずに過ごせるよう工夫されています。

また、園児たちがシェルターの環境に慣れるよう週に1回ほど、少人数のグループごとに地下で過ごす時間を設けているということです。

園長のアラ・ピスメンチュクさんは「最初のうちは子どもたちが不安になることもありましたが安全な場所だとわかってからは怖がらなくなりました。これからもこの教育手法を続けていきます」と話していました。

フィンランド NATO加盟実現の見通し

ロシアと国境を接するフィンランドと隣国のスウェーデンは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、去年5月、NATOへの加盟をそろって申請しました。

加盟には30の加盟国すべての承認が必要ですが、トルコは自国からの分離独立を掲げるクルド人武装組織のメンバーを両国が支援しているとして、テロ対策をとることなどを求めてきました。

こうした中、エルドアン大統領は17日、首都アンカラでフィンランドのニーニスト大統領とともに会見し、「具体的な進展があった。NATOはより強力になる」と述べ、フィンランドの加盟について議会にはかることを明らかにしました。

加盟国の中でトルコのほかに唯一、まだ承認していないハンガリーも今月27日に議会で採決すると発表し、フィンランドの加盟が実現する見通しとなりました。

一方、スウェーデンについてエルドアン大統領はクルド人武装組織をめぐるテロ対策が不十分だとして、引き続き対応を見極める考えを示し、北欧2か国が目指していたNATOへの同時加盟は難しい情勢です。

ゼレンスキー大統領「歴史的な決断」

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ICC=国際刑事裁判所がプーチン大統領などに対し逮捕状を出したことについて、SNS上に公開したビデオメッセージで「歴史的な決断だ。テロ国家の指導者が公式に戦争犯罪の容疑者となった」と述べ歓迎しました。

この中でゼレンスキー大統領は、何千人もの子どもをロシア側に違法に連れ去る行為は国のトップの命令がなければ行えないと述べ「子どもたちを家族から引き離し、ロシアの領土内に隠す行為は、明らかにロシアの国策であり、国家的悪事だ」としてプーチン大統領の責任を厳しく追及していく姿勢を強調しています。

国際刑事裁判所 プーチン大統領に逮捕状 戦争犯罪の疑い

ウクライナで行われたとみられる戦争犯罪などについて捜査してきたオランダ・ハーグにある国際刑事裁判所は17日、ロシアのプーチン大統領と子どもの権利などを担当するマリヤ・リボワベロワ大統領全権代表について、戦争犯罪の疑いで逮捕状を出したことを明らかにしました。

ロシアが占領したウクライナの地域からは多くの子どもたちがロシア側に移送されていて、裁判所はこれが国際法上の戦争犯罪にあたり、プーチン大統領に責任があると信ずるに足る十分な根拠があるとしています。

裁判所のホフマンスキ所長は声明を発表し「国際法は、占領した国家に対し住民の移送を禁じているうえ、子どもは特別に保護されることになっている。逮捕状の執行には国際社会の協力が必要だ」と述べました。

バフムト 副市長「破壊されていない建物は5%~10%」

東部ドネツク州にあるバフムトは、ウクライナ側の拠点のひとつで、ウクライナ軍とロシアの民間軍事会社ワグネルの部隊などとの激戦が続いていて、バフムトのオレクサンドル・マルチェンコ副市長が17日、バフムト近郊からNHKのオンラインインタビューに応じ、現地の情勢を説明しました。

マルチェンコ副市長は、「バフムトは、いま非常に厳しく困難な状況で、敵が包囲を試みている。バフムトへの攻撃は日に日に強まっている」と述べたうえで、街の半分がすでにロシア軍によって掌握されたという認識を示しました。

そして、「バフムトで破壊されていない建物は、5%から10%くらいしか残っていない」と述べ、これまでの戦闘で、街全体が甚大な被害を受けたと訴えました。

また副市長は、バフムトでは去年2月以降、敵の進軍を食い止めるためのざんごうや障害物を設置し、防衛力を高めてきたとしたうえで、「こうした構造物が、今後ウクライナ軍の防衛や反撃を助けることを期待している」と述べ、バフムトはまだロシア軍の攻撃に耐える余力があることを強調しました。

そのうえで、「バフムトで行われているのは集団虐殺であり、殺人だ。国際社会の団結によってこれをやめさせ、街を再建しなければならない」と述べ、国際社会に一層の支援を訴えました。