今回の起訴を受けて五ノ井里奈さんは、自身のSNSでコメントを出しました。
この中で「一時は全員不起訴になり、私がされたことを考えると何故そうなるのか到底納得できないまま、長い時間が経ちました。しかし、今回こうして3名が起訴されたことにより、ようやく報われるような思いです。本当に毎日苦しかったです。関係した方には自分たちのやったことは犯罪なのだということをしっかり認識し、きちんと反省し、罪を償って頂きたいと思います。このような犯罪が二度と繰り返されないように願うばかりです」と心境を記しています。

元陸自隊員性被害 元隊員3人を在宅起訴 福島地検が判断見直し
陸上自衛隊の隊員だった女性が福島県内の部隊で性被害を受けた事件で、福島地方検察庁は17日、女性の上司だった元隊員3人について不起訴とした判断を見直し、強制わいせつの罪で在宅起訴しました。
起訴されたのは、福島県にある陸上自衛隊郡山駐屯地の部隊の20代から30代の元隊員3人です。
3人はおととし8月、部下の隊員だった五ノ井里奈さんを押し倒して、服の上から体を触ったなどとして、強制わいせつの罪に問われています。
五ノ井さんが、被害を訴えて警務隊が3人を書類送検しましたが、検察は去年5月にいずれも不起訴としました。
しかし去年9月、検察審査会が「唯一の証拠である被害者の証言を排除し泣き寝入りを強いる以上は、より慎重に判断する必要があるが、捜査が十分に尽くされたとは言いがたい」などとして「不起訴は不当だ」とする議決をしました。
これを受けて検察が再捜査した結果、17日、不起訴とした判断を見直し、3人を在宅起訴しました。
この事件をめぐって、防衛省は、去年12月、五ノ井さんに性暴力を行ったことが確認できたとして、この3人を含む20代から40代の陸曹5人を免職の懲戒処分にしていました。
五ノ井さんコメント「ようやく報われるような思い」
陸上自衛隊「起訴は厳粛に受け止めたい」
陸上自衛隊郡山駐屯地の部隊に所属していた元隊員3人が在宅起訴されたことについて、部隊を管轄する陸上自衛隊東北方面隊の梶原直樹総監は「元隊員が起訴されたことについては厳粛に受け止めたい。同種事案の再発防止に努め、引き続き指導を徹底して参ります」とコメントしています。
起訴までのいきさつ
五ノ井里奈さん(23)は、3年前に陸上自衛隊に入隊し、配属された福島県郡山市にある部隊で複数の隊員から性被害を受けました。
このうち今回、在宅起訴された3人について、自衛隊内の捜査機関の警務隊に被害届を提出し、3人は強制わいせつの疑いで書類送検されましたが、去年5月にいずれも不起訴となりました。
五ノ井さんは自衛隊を退職して実名で被害を訴えるとともに、検察審査会に審査を申し立て、去年9月、郡山検察審査会が「不起訴は不当だ」と議決し、検察が再捜査していました。
一方、防衛省は自衛隊内でのハラスメントの実態を調べるため去年9月、特別防衛監察を開始しました。
その翌月には3人が五ノ井さんへの性暴力を認めて直接謝罪し、去年12月、いずれも懲戒免職処分を受けて退職していました。
このうち今回、在宅起訴された3人について、自衛隊内の捜査機関の警務隊に被害届を提出し、3人は強制わいせつの疑いで書類送検されましたが、去年5月にいずれも不起訴となりました。
五ノ井さんは自衛隊を退職して実名で被害を訴えるとともに、検察審査会に審査を申し立て、去年9月、郡山検察審査会が「不起訴は不当だ」と議決し、検察が再捜査していました。
一方、防衛省は自衛隊内でのハラスメントの実態を調べるため去年9月、特別防衛監察を開始しました。
その翌月には3人が五ノ井さんへの性暴力を認めて直接謝罪し、去年12月、いずれも懲戒免職処分を受けて退職していました。