マリウポリ 市民避難の劇場攻撃から1年 各地で追悼集会

激しい戦闘が行われたウクライナ東部の要衝マリウポリで、子どもを含む大勢の市民が避難していた劇場が攻撃されてから16日で1年となり、ウクライナ各地で追悼の集会が開かれました。

ウクライナ東部、ドネツク州のマリウポリでは去年3月16日、子どもを含む大勢の市民が避難していた劇場が攻撃され、地元の市議会は、ロシア軍による爆撃で300人以上が死亡した可能性もあるとしています。

攻撃から1年となった16日、ウクライナ各地で追悼集会が開かれ、このうち首都キーウでは、当時、劇場周辺に攻撃を避ける目的で書かれていたとみられるロシア語の「子どもたち」という文字をろうそくで再現し、犠牲者を悼んでいました。

攻撃を目撃したという男性は「どうかこの悲劇を記憶にとどめてもらいたい」と訴えていました。
ゼレンスキー大統領も16日、ビデオ演説で「邪悪な国家は責任をとる必要がある。われわれがマリウポリを解放し侵略者が裁かれる日が来る」と述べ、ロシアを非難しました。

また、国連人権理事会が設置した調査委員会は、16日に公開したウクライナの人権状況についての報告書で、ロシア軍は民間人がいるかどうか確認するための措置をとらずにマリウポリの劇場を攻撃したと指摘しています。

この劇場をめぐっては、去年12月、ロシア側が重機でがれきの撤去作業を始めたとマリウポリの幹部が明らかにしていて、ウクライナ側は、戦争犯罪をロシアが隠そうとしていると批判しています。