日銀保有の短期除いた国債 発行残高の52%に 拡大続く

大規模な金融緩和策で国債の買い入れが続く中、日銀が保有する短期を除いた国債は去年12月末時点で発行残高の52%に上り、拡大が続いています。

日銀が3か月ごとに公表する「資金循環統計」によりますと、日銀が保有する国債の残高は、政府が短期の資金繰りのために発行する国庫短期証券を除いて、去年12月末の時点で547兆円となり、発行残高全体に占める割合は52.02%となりました。

日銀の国債の保有割合は去年9月末時点で初めて50%を超えましたが、さらに拡大した形です。

日銀が長期金利の上昇を抑えるため、国債を無制限に買い入れる措置を実施するなど大規模な金融緩和策を続けていることが主な要因です。

一方、個人が保有する預金や株式、保険などの金融資産は、去年12月末時点で2023兆円となり、5期連続で2000兆円を超えて過去最大となりました。

ただ、前の年の同じ時期と比べた伸び率は0.4%にとどまり、去年9月末の時点よりも縮小しました。

日銀は、新型コロナからの経済活動の再開が進んでいることや物価高を受けて、貯蓄から消費に回る金額が増えていることなどが背景にあるのではないかとしています。