インドネシア サッカー場混乱 催涙ガス命じた警察官に無罪判決

去年、インドネシアでプロサッカーリーグの試合後に起きた大規模な混乱で130人以上が死亡したことについて、現地の裁判所は催涙ガスの使用を命じたなどとして業務上過失致死傷の罪に問われた警察官3人のうち2人に無罪を言い渡しました。

インドネシアの東ジャワ州マラン県では去年10月、プロサッカーリーグの試合のあとグラウンドに入り込んだ一部の観客に対して警察が催涙ガスを発射し、135人が死亡、600人以上がけがをしました。

政府の調査チームは多くの犠牲が出た主な原因は警察による催涙ガスの使用だと断定し、警察の警備責任者3人が催涙ガスの使用を命じたなどとして業務上過失致死傷の罪に問われていました。

地元のメディアによりますと現地の裁判所は16日、3人のうち、当時機動隊を率いていた幹部に対して禁錮1年6か月を言い渡した一方、ほかの2人については無罪を言い渡しました。

無罪とした理由について裁判所は、1人は催涙ガスの使用を命じていなかったとしたほか、もう1人については発射を命じた催涙ガスはグラウンドの中央に向けられ、観客には当たらなかったなどとしています。

今回の判決を受けて遺族からは失望や疑問の声も出ていて警察の責任の追及を求める声は収まりそうにない状況です。