“日韓関係改善 発展へ” G7広島サミットに韓国招待で最終調整

岸田総理大臣は韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領との首脳会談で、日韓関係を改善しさらに発展させていくことで一致しました。政府は、5月のG7広島サミットに韓国を招待する方向で最終調整を進めるなど、関係改善の具体化を図っていきたい考えです。

岸田総理大臣と韓国のユン・ソンニョル大統領の首脳会談は、総理大臣官邸でおよそ1時間半にわたって行われました。

会談で、両首脳は、国交正常化以来の友好協力関係の基盤に基づいて日韓関係をさらに発展させていくことで一致し、10年以上途絶えている首脳間の相互訪問「シャトル外交」の再開を確認しました。

また外務・防衛当局による「日韓安全保障対話」をおよそ5年ぶりに再開させることや、半導体のサプライチェーンなどで協力を強化するため経済安全保障に関する対話の枠組みを新たに創設することで合意しました。

一方、会談後の共同記者会見で岸田総理大臣は太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国政府傘下の財団が日本企業に代わり支払いを行う解決策を改めて評価しました。

また、両首脳は、財団が原告への支払いを終えたあと日本企業に弁済を求めるいわゆる「求償権」の行使は想定していないという認識を示しました。

岸田総理大臣は「ユン大統領の訪日は日韓関係の正常化にとって大きな1歩となった」と述べていて、今後、年内のできるだけ早い時期の韓国訪問を検討することにしているほか、5月のG7広島サミットに韓国を招待する方向で最終調整を進める方針です。

そして、さまざまな分野で政府間の意思疎通を加速させ、人の往来も含めて経済協力や文化交流などを促進し、関係改善の具体化を図っていきたい考えです。