静岡 沼津駅高架事業 認可取り消し求めた裁判 2審も住民敗訴

静岡県にあるJR沼津駅周辺の鉄道高架事業について、計画に反対する住民グループが、国と静岡県に認可の取り消しなどを求めた裁判で、2審の東京高等裁判所は「市内の人口などが減少傾向にあるとしても、事業の必要性は失われていない」として、1審に続いて住民側の訴えを退けました。

交通渋滞の解消などを目的としたJR沼津駅周辺の鉄道高架事業について、貨物ターミナルの移転先となる地域の住民などは「沼津市の財政を圧迫し、市民生活に影響が出る。人口が減少し交通量も減る中、必要性は乏しくなっている」と主張して、国と静岡県に対し計画の認可の取り消しなどを求めました。

16日の2審の判決で東京高等裁判所の三角比呂裁判長は「事業は渋滞だけでなく、交通の危険性も解消するもので必要性や合理性がある」と指摘しました。

そのうえで「計画決定当時より少子高齢化の進行などで、沼津市やその周辺の人口や交通量に減少傾向がみられるとしても、必要性は失われておらず、事業の継続は違法ではない」として、1審に続いて住民側の訴えを退けました。

原告団長「不当判決 全く納得できない」

判決について原告団長の殿岡修さんは「交通問題の専門家の意見書をもとに県や市の違法性を訴えてきたが、認められず、不当判決だ。全く納得できない」として、最高裁判所に上告するかどうか今後検討すると話していました。

また、海渡雄一弁護士は「沼津市の財政では湯水のように金のかかる事業をやる余裕はない。市を急速に衰退させ、若い世代にも魅力の無い街にしてしまう誤った政策で、判決は不合理だ」と話していました。