終了後、取材に応じた中江さんは「娘の命と記録は二度とよみがえらせることはできないが、直接声を聞いてもらえてありがたかった。すべての記録を社会に役立てられるようにしてほしい」と話していました。
最高裁判所は、今月27日に開かれる有識者委員会の会合で中江さんの意見を報告するとしています。

事件記録廃棄 京都 亀岡10人死傷事件遺族から聞き取り 最高裁
少年事件などの記録が各地の裁判所で廃棄されていた問題で、最高裁判所は16日、京都府亀岡市で、無免許運転の少年の車が突っ込み10人が死傷した事件の遺族から意見を聞き取りました。遺族は「記録は犠牲者の命と同じだという思いで残し続けてほしい」と訴えました。
京都府の中江美則さんは、2012年に亀岡市で無免許運転の少年の車が突っ込み10人を死傷させた事件で、妊娠中だった娘の幸姫さん(当時26)を亡くしました。
最高裁判所は、この事件を含むおよそ100件の少年事件や民事裁判について、記録が廃棄されるなどした経緯を調べていて、先月、最高裁の有識者委員会に出席した神戸児童連続殺傷事件の遺族に続いて、16日、中江さんから意見を聞きました。
聞き取りは非公開で行われ、中江さんによりますと「娘の命が再び奪われたように感じた。記録は犠牲者の命と同じだという思いで残し続けてほしい」と伝え、廃棄する場合は、遺族に十分説明して理解を得ることなどを求めたということです。
