
台湾副総統“TSMC大事なら各国一致し中国の武力行使抑止を”
中国は台湾に対する武力行使を放棄しておらず、台湾のTSMCが、先端半導体の生産で世界シェア9割を占める現状は、地政学的なリスクだとする見方が出ています。こうした中、台湾の頼清徳副総統は、台湾メディア主催のイベントに出席し、TSMCを大事に思うなら、各国が一致して中国による武力行使を抑止するよう求めました。
頼副総統は16日、TSMCの創業者の張忠謀氏と、アメリカのタフツ大学准教授で「半導体戦争」という著書がある、クリス・ミラー氏による台湾メディア主催の対談に招かれてあいさつしました。
この中で頼副総統は、中国が台湾に対する武力行使を放棄しないことに対し「台湾に戦争を仕掛ければ、被害は台湾にとどまらず、世界に重大な災難をもたらすということを、中国ははっきりと理解すべきだ」と述べました。
そして、先端半導体の生産で、TSMCが世界シェア9割を占める現状を地政学的なリスクだとする見方があることを念頭に、「世界各国、特に民主主義陣営が、TSMCを大事に思い、台湾の民主主義を重視するなら、ともに努力して中国の武力侵攻のたくらみを抑えてほしい」と述べ、各国が一致して中国を抑止するよう求めました。
一方、張氏は、アメリカが、中国の半導体産業の発展を遅らせようとする政策をとっているという認識を示し「この方向を支持する」と述べました。