【解説】ガーシー元議員の逮捕状請求 容疑は?今後の捜査は?
15日に「除名」処分となったガーシー元参議院議員について、警視庁は、動画投稿サイトを通じて著名人などを繰り返し脅迫したなどとして、暴力行為等処罰法違反などの疑いで逮捕状を請求しました。ガーシー元議員は海外で滞在を続けていて、警視庁は、パスポートの返納命令も外務省に要請することにしています。
具体的な容疑や今後の捜査について、社会部 小山志央理 記者の解説です。
(動画は2分10秒。データ放送ではご覧になれません)
Q.なぜこのタイミングで逮捕状を請求したのでしょうか?
A.警視庁が繰り返し要請してきた任意の事情聴取に応じず、このままでは捜査を進められないと判断したからです。
警視庁による事情聴取の要請は、去年12月以降、合わせて6回にのぼり、ガーシー元議員は、日本に帰国して聴取を受ける意向を示していたが結局、応じることはありませんでした。
先週も「議場での陳謝」に向け帰国する予定だったのに合わせ、警視庁は事情聴取のタイミングを探っていましたが、実現しませんでした。
ある捜査幹部は「堪忍袋の緒が切れた」と話していて、証拠隠滅のおそれもあるなどと判断し逮捕状の請求に踏み切りました。
Q.具体的な容疑や今後の捜査についてはどのようになっていますか?
A.警視庁が逮捕状を請求したのは、合わせて4つの容疑についてです。
著名人や実業家など数人が刑事告訴していますが、その全員に対して「常習的脅迫」の疑いがあるとしています。
警視庁は、動画投稿サイトを通じて、複数の著名人などに対し名誉を傷つけるような発言をしていくと伝えていたことが悪質だとして、この容疑を適用しました。
このほか、「名誉毀損」や「威力業務妨害」、「強要」の疑いがあるとしていて、被害を訴える実業家の1人はガーシー元議員のひぼう中傷により事業を撤退せざるを得なかったと主張しています。
今後、警視庁は、パスポートの返納命令を外務省に要請する方針で、通常、返納命令が出された場合、一定期間でパスポートは失効し海外に不法滞在している状態となり、ビザの延長などができなくなります。
警視庁は、相手国の協力を得るなどして、ガーシー元議員が日本に帰国した段階で逮捕したい考えです。